- 1995.11.23 年報『女性ライフサイクル研究』
- 『女性ライフサイクル研究』第5号(1995年11月発行)
特集《阪神大震災─女の視点から捉え直す》
1995年1月17日、戦争を体験していない世代にとっては、初めての歴史的大惨事の経験ともいえる阪神大震災が起きました。既に数年が経っており、建物 は修復され、表面的には復興が成し遂げられたかのように見え、世間の関心はだんだんと薄くなってきているかのように思われます。しかしながら、個々人の心 のなかでの復興、つまり、震災の経験をどう自分のものとして生き抜くかについては今なお、途上にあると言えます。本書は、あまり取り上げられることのな かった女性、子どもの視点から阪神大震災を捉え直したものであり、この震災を心に留めておくためにも、また援助する側にとっても貴重な1冊であると思いま すので、ぜひ、ご一読ください。
〈内容〉
1 阪神大震災と「心のケア」
災害と精神療法
震災こころのクリニックの試み
失われた者へ捧げる見えない踊り
「心のケア」の語について
スピリチュアリティ(霊性)の目覚め
神戸を訪れての想い
被災地で受けたおもてなし
おばさんの怒り-被災地の女性たち
震災に思ったこと
心のサポート・ミッションの活動
2 震災とこどもたち
子どものPTSDへの治療的接近-ポストトラウマティックプレイを中心に
テディベア作戦の紹介
子どもたちのメッセージが見えていますか?-阪神淡路大震災を経験して、保育所で何ができるのか?
絵によるグループ・ワークを試みて
避難所へのリクレーションサービスを通して
小学校教員から見た子どもたちの日常-インタビューを通して
3 震災と女たち
1.震災を生き抜く女たち
女性の語らいの中から見える阪神大震災
女性のための電話相談を開設して
インタビュー:女性の目から見た震災と避難所
インタビュー:わが子を亡くした痛みを抱いて
インタビュー:助産師に聞く
被災体験の中で妊産婦として考えたこと
助産院の夢と助産婦たちのシスターフッド
2.震災と女性の人権
相談現場から見える女性問題
阪神大震災を通じて見えてくる女性の人権
母子家庭のサポートを試みて
3.震災と性
インタビュー:婦人科医の立場から震災下での生と性を語る
座談会-被災地の性を語る
4 コミュニティと救援サービス
神戸の街とともに
大阪YWCA・心のケア・ネットワークの取り組み
西宮YWCAの救援活動
精神衛生支援団体
女性救援サービス機関と震災
B5判、約200頁 1,000円
〈掲載論文〉
■「こころのケア」と人権と... 村本邦子
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