女性ライフサイクル研究所の顧問、村本邦子が執筆した『婦人相談員物語~その証言から女たちの歴史(herstory)を紡ぐ』が国書刊行会より発行されました。
DV、性暴力、虐待、ハラスメントなど女性支援に携わる支援者の方、この問題に関心のある方にぜひご一読いただければとお勧めします。
【内容紹介】
運命に翻弄され、もがきながら生きた女たちの歴史を「婦人相談員」の証言から紡ぐ。
婦人相談員は売春防止法によって設置され、性暴力、DV、人身売買など、さまざまな困難を抱える女性たちに寄り添ってきた。本書は、これまであまり光をあててこられなかった婦人相談員の証言から、相談員の人生とともに、相談員たちが出会ってきた女性たちの物語を紡ぎ、女性の苦難とつながりの物語を歴史(herstory)として記録したものである。
売春防止法に先立つ「からゆきさん」、売春防止法設置と最初期の婦人相談員の苦闘、そして1980年代以降に婦人相談員として働いた24人のベテラン相談員の物語を紹介。そこでは、社会の変化と女性のあり方が浮かび上がってくる一方で、売春防止法よりずっと前から連綿と続いてきた女性たちの苦難と哀しみ、同時に逞しさと暖かさを感じることができるはずである。それは見ようとしなければ見えない世界であり、ないことにされがちなものであるが、実は時代を超えて女性という存在に通底するものであり、眼を向けることで女性たちはつながり、助け合うことができるのだ。
女性新法の施行により婦人相談員は女性相談支援員となるが、その経緯と期待についても触れる。
【著者紹介】
村本邦子(ムラモトクニコ)
立命館大学教授、臨床心理士。1990年に女性ライフサイクル研究所を設立、DV や性暴力、災害、戦争などトラウマの臨床に取り組む。『暴力被害と女性』(昭和堂、2001)、『周辺からの記憶 3・11の証人となった十年』(国書刊行会、2021)ほか著書多数。
松本周子(モツモトシュウコ)
熊本県水俣市福祉課女性相談員、元全国婦人相談員連絡協議会会長。淑徳大学で社会福祉を専攻。1988年より婦人相談員。民間活動として、DV 被害者母子の回復プログラム、地域の支援者養成講座も実施している。
国書刊行会→『婦人相談員物語 』
Amazon→『婦人相談員物語』
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