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2011.04.01 FLCアーカイブ
トラウマとレジリエンスに関する研究へのご協力のお願い

受付終了しました。ご協力ありがとうございました

トラウマとレジリエンスに関する研究へのご協力のお願い

 女性ライフサイクル研究所では、1990年の開設以来、子どもや 女性のトラウマ・ケアに取り組んできました。トラウマからの回復を支援するためには、トラウマの影響と、レジリエンス(逆境を乗り越えていく力)を理解することが不可欠です。

 しかし、現在日本には、トラウマの影響の全体像や、レジリエンスを知る尺度はありません。私たちは、ここ数年、ジュディス・ハーマンの『心的外傷と回復』(みすず書房)で有名なボストンの被害者支援プログラムで開発された、MTRR尺度(トラウマの影響とレジリエンスをはかる尺度)の日本語版を作成するための研究を行っています。日本語版の尺度を作成し、トラウマ体験のある方の回復に役に立てていきたいと思っています。

この尺度を作成するための研究にご協力頂ける方を募集しています。

たとえば、
「身近な人の暴力に苦しんできた」
「親からの虐待を受けた」
「性的な被害を受けたことがある」
「犯罪に巻き込まれたことがある」
「トラウマとなるような喪失体験がある」
「自然災害にあった後、心身の不調が続いた」

などの、トラウマ体験がある方で、この研究に関心を持って頂ける方は、次をクリックして、詳しい説明をご覧ください。
 ⇒トラウマとレジリエンスに関わる研究へのご協力のお願い .pdf

日本における、トラウマ・ケアをさらにより良いものとしていくために、皆さまのお力をお借りすることができれば幸いです。

なお、ご希望の場合には、インタビュー結果をMTRR尺度に照らし合わせ、あなたの回復の状態とレジリエンスについて、後日、お伝えすることができます。

※トラウマとレジリエンスに関しては、こちらに詳しい説明があります。
  → 村本邦子「レジリエンス~苦境とサバイバル

2010.11.01 FLCアーカイブ
女性ライフサイクル研究所20年の活動報告 (1990年10月~2010年10月)

                                                                                                             西 順子

去る2010年10月31日(日)、「女性ライフサイクル研究所設立20周年イベント」を開催しました。その際に報告させて頂きました「20年の活動報告」を、このコーナーでも紹介させて頂きたいと思います。写真やビデオをご紹介できないのは残念ですが、私たちの「歩み」を知って頂ければ、嬉しいです。また併せて、年報20号もお読み頂ければ嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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●1990年10月1日、大阪市北区にて、女性ライフサイクル研究所は産声をあげました。スローガンは、「女性の視点から女性のサポートを」です。

女性ライフサイクル研究所開設の発想は、創設者村本邦子のお産の体験に遡ります。ひょんなことから第一子を自宅出産した村本は、母性という制度がどんなふうに母たちの自然な愛を歪めていったのかを認識しました。「個人のこころ」を規定する社会システムや歴史というものに視野が開けたのです。ここから、社会に開かれ、女性の視点に立った心理臨床という発想が生まれました。

女性ライフサイクル研究所という名前は、「自分たち自身のライフサイクルに応じて、関心も変わっていくだろう」という視点から、名付けられました。英語では「Feminine Life Cycle」、これを略して、FLCと呼びます。FLCという名称は、今も愛称として親しまれています。

●1990年初期、真っ先に始めたのは、妊娠・出産・子育てのサポートでした。具体的には、カウンセリング、グループワークショップ、無料電話相談からスタートしました。そして、年報「女性ライフサイクル研究」を発行、FLCネットワークとして通信物の発行など、研究活動、ネットワークづくりにも着手しました。

特にここでは、グループワークショップを紹介しましょう。
当初開設されたグループは二種類ありました。子どもの発達心理を学ぶグループと、女性学を学ぶグループです。グループでは、発達心理学や女性学について学びながら、参加者たちが日頃の体験を語り合うという手法で行われました。孤独と不安のなかで子育てをしている母親たちに、「発達心理学」の専門知識をわかりやすく伝えたい、そして自分の頭で考える子育てができるように、そして、仲間たちとのつながりのなかで親子の成長を共有できるようにと考え、発達心理を学ぶグループがうまれました。

女性学を学ぶグループでは、スタッフも参加者と一緒になって、生い立ち、性、妊娠・出産、子育ての体験まで、女としての体験を語り合いました。「自分だけではなかった」と女であることの普遍性を体験し、女性同士の友情(sisterhood)が生まれていきました。
女性たちが自分らしく伸び伸びと生き、自己実現するためのグループとしても機能していました。そして、「個人的なことは政治的なこと」というグループ体験は、研究所の存在の基盤となりました。このグループワークショップは、現在「読書会」のグループとして引き継がれています。

●1990年前半、村本が開業ベースでカウンセリングをスタートさせて直面したのは、子ども時代の虐待や性暴力の問題でした。少なからぬ女性たちが成長過程においてどれほど深く傷ついてきたか、女性のメンタルヘルスにこれほど大きな影響を与えているはずのことを世間はおろか専門家たちも理解していない、ということに愕然としました。それで、虐待、とくに子ども時代の性虐待についての社会啓発をスタートさせました。

まず、年報2号では『チャイルド・セクシャル・アビューズ』の特集を組みました。この2号は、マスコミに大きく取り上げられ、全国各地から電話相談や問い合わせが寄せられました。
そして、性的虐待の講演会を主催したり、暴力防止プログラムを開発・実施しました。専門家の意識を喚起するために毎年日本心理臨床学会で自主シンポジウムを開催しました(1992-2000年まで)。

この時期には、数々のサバイバーたちとの出会いがありました。「カウンセリングルームでカウンセリングをしていられる状況にない」サバイバーたちと、ともにできることを模索し続けました。この経験は、現在も、支援の原点であり骨格となっています。社会という次元が本人の回復に必要であること、心の問題だけではだめだと確信を強めていきました。

●そして、1990年後半。1995年、阪神淡路大震災が起こりました。震災をきっかけに、トラウマ概念が我が国でも広く知られるようになりました。1990年代も終わりになるにつれ、心のケア、子育て支援、被害者支援、虐待、DVなど、トラウマの影響と回復についても理解されるようになっていきました。時代が変わり、社会がようやく、社会の根っこにある暴力の問題に目を向けるようになってきたのです。

1999年、研究所では当時島根大学社会学部教授だった石川義之先生とともに、大規模な性被害調査に乗り出しました。この研究はランダム・サンプリングによる質問紙調査とインタビュー調査からなります。女性のトラウマを考える会を組織し、スタッフが調査に協力しました。インタビュー調査を通して実感したことは、「人々は想像を絶する深刻なトラウマを抱えながらもサバイブしている現実がある。それを支えるのは、身近な人々の温かさだったり、ささやかな言葉であったりする」ことを実感していきました。

一方、1999年に、村本は米国ユニオン・インスティテュート博士課程に入学しました。村本が博士課程時代に得たトラウマについての新しい情報や仕組みは、さっそく研究所にも取り入れられました。まず、日本でもいち早くインフォームド・コンセントをつくりました。そして、トラウマを査定するMTRR尺度を日本に紹介し、トラウマへの様々なグループ・アプローチを試みていきました。


●そして2002年。仕事も増え、スタッフたちが育ち社会的責任を背負って「やっていこう」という機運が生まれました。議論の末、スタッフの仕事の場としての有限会社と、非営利でボランティア活動を行うNPO法人とを分けて設立することになりました。
2002年4月に研究所を有限会社として法人化、11月には、NPO法人「FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク」を設立しました。2003年から、新しくスタッフも迎えることとなりました。

□次世代による活動の展開へ
法人化以降は、村本は次世代養成・援助者支援にエネルギーを注ぐポジションとなりました。それに続くようにして、研究所のスタッフそれぞれが自立的に活動を展開していくこととなりました。カウンセリングと講師派遣と二本柱の活動を中心に、それぞれに社会のニーズにこたえていきました。

カウンセリングでは、法人化以降、EAP(従業員支援プログラム)の分野にも職域を拡げました。行政での女性相談や子育て相談、共済組合でのメンタルヘルス相談に、カウンセラー派遣も行ってきました。

講師派遣では、一般市民から援助職対象まで、講座や研修に講師派遣をし、より広いコミュニティへと展開していきました。講師派遣の地域は、大阪、京都はもとより、奈良、姫路、愛知など、関西周辺からの依頼も増えています。また、山陰、四国、九州・沖縄地方と主に西日本の各地域から援助者向け研修の依頼を頂いています。
一方、企業向けセミナーにおいては、男性に向けての発信も行ってきています。

□次世代養成と援助者支援
特に、次世代養成と援助者支援についてご紹介します。
次世代養成としてまず研究所内で定期的に行っているのは、月1回年報会議、年2回ケース・カンファレンス、年2回内部研修、年6回家族造形法研修、年1回宿泊研修などです。 2003年からは、立命館大学大学院より臨床心理士養成コースの実習生を受け入れています。また、NPOでの活動の場も次世代養成の場となっています。DV子どもプロジェクト、Vi-Projectなど、NPO活動に取り組む若手スタッフらをバッアップしています。

援助者支援では、DV被害者支援に携わる援助者対象に、DVスペシャリスト協会、内閣府「配偶者からの暴力被害者支援アドバイザー派遣事業」、各地域のDV・虐待支援者ネットワーク研修会等への講師派遣をしています。

子育て支援に携わる援助者支援としては、保育士・幼稚園教諭・子育て支援センター・ファミリーサポートセンターなどの職員、子育て支援者向け研修への講師派遣を行っています。特に2006年から毎年「キッズサポーター・スキルアップ講座」を開いていますが、保育所・幼稚園の研修の一環として、毎年参加下さっている園もあります。
その他にも、福祉職、教師、看護師などの援助者向けの研修も行っています。

□戦争とトラウマのテーマに着手
一方、新たなテーマにも着手しはじめました。2005年、開設一五周年記念シンポジウムでは「戦争・ジェンダー・トラウマ」を企画・開催しました。「戦争とトラウマ」のテーマは、トラウマの世代間伝達の問題として、アジアの人々との和解修復への試みにも取り組みつつあります。

●まとめ
女性ライフサイクル研究所の事業の特徴は、臨床心理学的地域援助として、社会やコミュニティにひらかれた活動を行ってきたということです。開設以来、必要な人に必要な情報や支援を届けられるようにと、予防啓発活動から臨床的援助まで、「橋渡し」を行ってきました。
具体的には、カウンセリング、グループ、講師派遣、講座企画、年報発行、執筆活動などです。そして、活動のテーマは、妊娠・出産・子育てのサポートから、虐待、DV、性暴力のトラウマへ、そして、戦争とトラウマの世代間伝達の問題へと拡がってきました。対象も、女性や子どもから、家族や男性まで、一般市民から、援助者、働く人々・・へと拡がってきています。
これからも、権利擁護の立場にたち、人々とつながるなかで、コミュニティ支援に取り組んでいきたいと思います。

2010.10.30 FLCアーカイブ
女性ライフサイクル研究所20周年記念イベント

このイベントは終了いたしました。
多数のご来場いただき、誠にありがとうございました。   


女性ライフサイクル研究所20周年記念イベント


女性ライフサイクル研究所は、1990年10月、「女性の視点で女性のサポートを!」と開設されました。以来、妊娠・出産・子育てのサポート、虐待や性暴力、女性の生き方、家族の問題など、女性や子どもの権利擁護の視点から、カウンセリング、グループ・ワーク、講師派遣、出版などを行ってきました。

このたび、開設20周年を記念して、「女性ライフサイクル研究所20年の歩みとこれから」と題するイベントを企画しました。高い志を持って事業展開をされてきたお二人のゲストと所長村本との鼎談「人生の楽しみ、事業の歓び」と、おまけのピアノ・コンサートをお楽しみください。
みなさまのお越しをお待ちしています。

日 時:

2010年10月31日(日)13時~

場 所:

クレオ大阪中央・セミナーホール(4階)
(地下鉄谷町線四天王寺夕陽丘下車/徒歩5分)

参加費:

予約 500円 / 当日 600円
(電話/メール/FAXでお申し込みください。お支払いは当日、受付にて)

内 容:

【第一部】13:00-15:30

 

 ◆ 20年の活動報告          

 ◆ 鼎談  「人生の楽しみ、事業の歓び」

 

村本 邦子(女性ライフサイクル研究所所長)

ゲスト: 
多田 千尋さん(芸術教育研究所所長/東京おもちゃ美術館館長)

高齢者福祉、世代間交流について研究・実践。お茶の水大学で「保育」、早稲田大学で「福祉文化論」を教える。全国に4000人のおもちゃコンサルタントを養成。「日本の社会起業家30人」の一人に選出。

上田 理恵子さん(株式会社マザーネット代表)

ワーキングマザーが、仕事と家事・子育ての両立をしていく上での問題点を解決し「仕事を続けてきてよかった」と実感できる社会を創造することを理念とし、起業。
 

【第二部】16:00-16:40

 

 ◆ ピアノ・コンサート 演奏: パールノート(長川歩美+村本邦子)

曲目:♪ショパン「プレリュード」から ♪ラフマニノフ前奏曲「鐘」 ♪ガーシュイン「プレリュード」ほか
2008.03.01 FLCアーカイブ
平成19年度 大阪市きらめき企業賞受賞

ニュースレターNO.73 より(2008年3月発行)
2008年3月 ニュースレター.png

2005.08.01 FLCアーカイブ
NL特集:15周年記念シンポジウム「戦争・ジェンダー・トラウマ」報告

ニュースレター No.55 / 2005年8月 

特集 15周年記念シンポジウム「戦争・ジェンダー・トラウマ」報告

シンポジウム写真
シンポジスト 右から 
中村氏 内藤氏 大越氏 村本

 女性ライフサイクル研究所15周年を記念し、7月10日(日)、山西福祉記念会館にて、「戦争・ジェンダー・トラウマ」をテーマにシンポジウムを開催しました。小雨の降る中、遠方からもたくさんの方にご参加いただき、熱い一日となりました。

 女性ライフサイクル研究所では、設立以来、女性や子どもへの暴力・虐待と向き合ってきましたが、60年前の戦争責任とトラウマへの対処が未処理であることが暴力の加害・被害の問題に影を落としているのではないかと感じ続けてきました。心理学的観点からこの問題に眼を向けていく第一歩として、昨年、女性ライフサイクル研究所年報14号で「戦争とトラウマ」の特集を組みました。そして、次のステップとして企画したのが、このシンポジウムです。

 今回のシンポジウムでは、大越愛子さん、内藤和美さん、中村正さんをシンポジストにお招きし、社会学、女性学、男性学、それぞれの立場から、戦争についてお話いただきました。詳細については、次号でご報告しますが、大越さんは、従軍慰安婦の問題に触れ、彼女たちは被害者であるにもかかわらず、なぜ恥意識を感じて生き続けなければならなかったのか。権力の悪意を裁くことなしに、「正義」を取り戻すことができない。重い沈黙を強いられてきた被害女性たちの声を聞き取り、復元し、その意味を問い直す必要性についてお話くださいました。また、内藤さんは、暴力被害者の回復を支援するために、専門職の取るべきスタンスについて、まず信頼関係があること。当事者の力、自律性、主体性が尊重されること。当事者と援助者の関係を不均衡にしてはいけないこと。当事者自身が語れる状況を創ることの四点を強調されました。最後に、中村さんは、加害者男性について、いかにして学習パターンを変えていくか。社会がつくる男らしさ(masculinity)と暴力の関係。憎悪の時代の危険性について、さまざまな例をあげて、説明してくださいました。

 シンポジストの意見に触発され、シンポジウム後のディスカッションでは、会場から活発な意見が飛び交いました。「戦中は、正義の名のもとに、多くの男性や女性たちが、戦争に加担していったが、現代も、知らないうちに戦争へ組み込まれていく危険をはらんでいるのではないか」。「戦争の問題から眼をそむけていてはいけない。戦争体験者らの責任を私たちが自らの問題として引き継ぎ、次世代へ伝えていく使命がある」。「日本人として、加害性に向き合い、何が解決していないのかをしっかり見つめていかなければならない」。「加害・被害を複眼的な視点でとらえ、社会変化を起こしていくには何をなすべきか。そのためには、加害トラウマと被害トラウマの両方を聞いて、正しく苦しみ、正しく悩む。トラウマがきちんと受け止められることが大切なのではないか」などが話し合われ、とても有意義な時間となりました。

 戦争とトラウマの問題は、日本では、やっとスタートラインについたばかりです。私たちができることは、戦争体験者の声にじっと耳を傾け、証人として共に在ることなのではないでしょうか。このシンポジウムを足がかりに、一人でも多くの人が、戦争を過去のものにするのではなく、明日の問題として考えていくことができれば、それほどうれしいことはありません。今後も女性ライフサイクル研究所では、「戦争とトラウマ」について、さらに理解を深めていきたいと思っています。
(下地久美子)

◆八年前から沖縄の戦争体験者の研究をしていて、今回のシンポジウムは、大変興味深く参加させて頂きました。有り難うございました。三世代の人間として何ができるか、具体的にどういうことが始められるか、改めて考えさせられました。日々の活動を通して、おじい、おばあの魂の語りを聴かせてもらっていると、戦争体験は、辛い体験であると同時に、忘れてはならない体験だと感じています。
(うちなんちゅ~)

◆大越さん、内藤さん、中村さんの指摘のそれぞれに、「そうか・・・」と知った喜びを感じました。特に、内藤さんの指摘には、支援者としての居心地の悪さを解きほぐす端緒につけた気がした。
(石打澄枝)

◆アディクション、差別、暴力、全ては複雑にからまって、被害者、加害者は戸惑うばかり。社会システムは無傷のまま、その巧妙な装置を強化していく。その錯綜した問題(特に、女性に現れやすい、気づかれやすい問題)に、「戦争」「記憶」という一本の縦線を入れてみると整理しやすい。この輪を(小さくても)地方、全国に拡げましょう。ずいぶん、勇気づけられる人たちがいますよ。特に女性。そして、男性も救われます。
(小谷省吾)

◆「ジェンダーと戦争」について、国や社会のあり方を論じるものはよく聞くけれど、個人(しかも心)への影響に着目している話は初めて聞きました。とても関心を持てました。日本は、戦争の被害を語り継ぐことには熱心だと思う(児童書や教育現場など)けど、加害についての反省が少ないのではないかといつも思います。だから、「サバイバーの叫び」を聞くということは、とても大事だと思う。でも、そのときに、「同じ女性だから、わかるわー」と、安易な気持ちで物事を共有してはいけないという内藤さんのお話がとても大切になってくると思った。暴力について語る時だけでなく、差別についてなど、あらゆる「支配」について「語る側」となったときに、よく考えないといけない問題だと思った。あと、暴力をふるわれる側の女性からの提案は多くあるが、ふるう側の男性の視点が少なすぎると思っていたので、中村さんの話は「未来がひらけているなー」と思いながら聞いていました。
(エリザベス)

◆テーマ設定については正直言ってただただ頭が下がる思いです。よくぞ世代間トラウマ、戦争とジェンダーなど大きなテーマに挑戦されたと思います。
特に印象深いのは「この問題を意識化し相対化するのに、3世代60年が必要だったのかなあ」との村本所長の言葉です。今これだけ戦後問題、あるいは戦争責任の取り方の問題、従軍慰安婦問題、靖国問題などが、逆風の中にあるということと、「60年が必要だったこと」とは、決して無関係ではないと思います。これらの問題をどう扱い、いかに立ち向かうか。私達の真価が問われているのだと思います。今後もこの問題を継続的に扱いたいとのこと。「戦争・ジェンダー・トラウマ」これだけ大きなテーマから決して逃げない真摯かつ誠実な姿勢に改めて敬意を表したいと思います。
今回シンポジストがそれぞれ提起された方向性が、多くの市民に共有され、意識化されること。多くの市民が自らの問題として考えるようになる事を期待します。そして私自身、FLCとは視点・立場を異にしながらも、今回のシンポジウムで学んだことを生かしながら、改憲阻止に向けて尽力したいと思います。今後ともどうかよろしくお願いいたします。
(九条あきら)

※アンケート用紙にニュースレター、ホームページに掲載可として頂いたご意見・ご感想をすべて紹介させて頂きました。その他の参加者の皆さんからも、たくさんの暖かいメッセージを頂きました。この場を借りて、御礼申し上げます。

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