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所長のブログ~ただ今修行中

2016.12.18 学び-学会・研究会
CARE勉強会&EMDR勉強会

 17日の日曜日、午前はCAREトレーナー勉強会に参加するため、東京に行く予定をしていましたが、ちょうどこの日にEMDR東京勉強会があると知り、これはラッキーと勉強会のハシゴをしてきました

 CARE(ケア)トレーナー勉強会は初めて参加しましたが、改訂版マニュアルについて情報を教えていただきました。CAREプログラムの内容、進行などを振り返ることができてよかったです。CAREをよりわかりやすく、効果的にお伝えできるように・・努めていきたいと思います。

 夜はEMDR東京勉強会。講師の先生から、直近のトラウマ的出来事に焦点をあてる「R-TEP」について教えていただきました。講義の後には、お隣の方とロールプレイで練習をしましたが、実際にやってみるのは、わかりやすくて有難たかったです。

 勉強会か終わった後は、いそいでバス停留所へ。土曜日のうちに帰らなければならず、学生時代以来何十年かぶりに夜行バスに乗りました。
 ハードスケジュールでしたが、いろんな方々とお会いできて嬉しく、新しい知識を学ぶこともできた充実した一日でした♪

                斬新なツリー!? FullSizeRender (2).jpg

2016.12.11 日々のこと
12月の『心的外傷と回復』読書会は・・

あっという間に12月も三分の一が過ぎました。今日は晴れて気持ちのよいお天気でしたが、12月らしい寒い一日。

前回のブログから二週間がたちましたが、この間、外での活動では、11月末に保育所での保護者向け講座「イライラしない子育て」の講師を務め、先週末は京都に出向きアタッチメント・セミナーに参加しました。そして本日午後からは、『心的外傷と回復』女性のトラウマ読書会。今日は第8章の「安全」を読みあいました。

「安全」とは、身体の安全、環境の安全のことで、トラウマからの回復過程における最初の課題となります。回復の第一段階の課題「安全の確立」は、まず身体の自己コントロールに焦点をあて、次第に環境に焦点を移すと言います。睡眠、食欲、運動、PTSD(外傷後ストレス障害)のマネージメント、自己破壊的行動のコントロールなど身体のコントロールに始まり、安全な生活状況を樹立し、経済的安全をはかり、自己防御計画をたてることが課題となります。

「いかなる人も独りだけで安全な環境を打ち立てることは不可能である」ので、「適切十分な安全計画をつくるには社会側の支援が不可欠」です。外傷症候群は総合的な治療として、生物学的、心理的、社会的要素のすべてに対して行わなければならないと言います。

トラウマ記憶に取り組む前に、「安全を確立」し安定化をはかることの重要性と、そのためには社会的支援が必要であることを再確認しました。

ところで、読書会などグループや講座は、研究所のグループルームで行っていますが、今日はとても温度が下がっていたので、エアコンと暖房カーペットに加えて「ひざ掛け」も用意。下から体がポカポカ温まり、まるで皆でコタツに入っているようで、心もほっこり。寒さが厳しいときほど、人と一緒に温もるっていいなぁ~と、身も心も温まる時間でした。次回の読書会は来年一月です。

              アタッチメントセミナーの帰り、京都駅ビルから
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2016.11.25 日々のこと
11月25日は「女性に対する暴力をなくす撤廃国際日」です

 この2週間は、「女性に対する暴力をなくす運動」期間でした。
最終日の今日、仕事が終わった後、大阪のパープル・ライトアップを見に行きました(写真は下記です↓)。

 女性に対する暴力とは、夫・パートナーからの暴力(DV)、性犯罪、セクシュアルハラスメント、ストーカー行為、売買春など、女性や女児の人権を著しく侵害する行為です。

 1999年12月、国連総会では、11月25日を「女性に対する暴力撤廃国際日」として指定しました。この国際日に各国政府、国際機関、NGOに対して、この問題に関する世論を喚起するための活動を行うようにと促しています。

 日本でも毎年、11月12日~25日までの二週間を「女性に対する暴力をなくす運動」の期間として、内閣府をはじめとする関係省庁や地方公共団体でさまざまな取り組みが行われています。

 パープル・ライトアップもこの一つで、女性に対する暴力根絶のシンボルのパープルリボンにちなんで、この期間に全国各地の施設で実施されています。「ひとりで悩まず、まず相談してください」というメッセージが込められているとのこと。

 私にも何かできること・・をと、下記に相談窓口(公的機関)を紹介したいと思います。時々、「どこに相談していいかわからなくて・・」と遠方にお住まいの方からもお電話をいただくことがあります。電話相談の情報の一つとして、お役立て頂ければと思います。

【参考ホームページ等】 
●内閣府男女共同参画局  配偶者暴力被害者支援情報
            DV相談ナビ 0570-0-55210

●警察庁   各都道府県警察の犯罪被害相談窓口
       性犯罪被害相談電話設置一覧表

●法務省   女性の人権ホットライン  0570-070-810
        法テラス犯罪被害者支援ダイヤル 0580-079714  
        ストーカー被害ポータルサイト
      
●厚生労働省 児童相談所全国共通ダイヤル  189

【関連記事】
●DV   「DVを受けている女性を支える~家族、友人、知人として」
   
  DVを受けている女性を支える~なぜ逃げられないのかを理解する
     ドメスティック・バイオレンス(DV)家庭で育った子どものトラウマと回復

●性的虐待 「カウンセリングの窓から~性暴力被害への理解と対応を」

           大阪府のドーンセンターから。パープルライトアップIMG_1909 (2).jpg

           

2016.11.20 学び-学会・研究会
PCIT&CARE 合同研究会に参加しました

 11月19日(土)・20日(日)と白梅学園大学(東京都小平市)で開催された「第6回PCIT-Japan&CARE-Japan合同研究会」に参加しました。(PCITについてはこちら、CAREについてはこちらをご参照ください)

 一日目の大会シンポジウムのテーマは「PCITとCAREの共通点と相違点」。
 クリニック、児童相談所、児童養護施設と、それぞれの現場でのPCIT、CAREの実践と地域連携についての発表、そして指定討論と、刺激的な時間でとても勉強になりました。ポスター発表も皆さん各地域、各現場でそれぞれ工夫して実践されているんだな~と感動する思いで聞きました。

 二日目の今日は一日、PCITスキルのブラッシュアップのための講座を受講。
 実践的な内容で、復習と予習ができて整理になりました。子どもと親御さんに役立てていただけるよう、頑張ろう~と気持ちを新たにしました。いつもサポーティブな講師の先生、スタッフの皆さまに感謝。

  一日目は風邪を引きかけてしまい夜の懇親会は出れずに残念(夜は身体を温め指圧マッサージを受けて、翌日は無事復活!)。でも、休みの時間に関西から来られている方々とお話しすることができ、温かい交流が嬉しく、力づけられました。また再会できる日を楽しみに、日々の臨床にコツコツとりくんでいきたいと思います。

               気持ちのいい朝でした。白梅学園大学キャンパスより。IMG_1875 (2).jpg

  

 

2016.11.18 講師活動
『叱れない親、叱りすぎる親』、講師をつとめさせて頂きました

日中はいいお天気が続いています。
昨日は、京都府長岡京市中央公民館主催、家庭教育学級講座『叱れない親、叱りすぎる親』の講師を担当させて頂きました。

最近の親は子どもを叱らない・・と言われるけれど、親の方はどう叱ればいいの?どう叱っていいかわからない・・と不安を抱えています。また、叱りすぎる親も、自分ではよくないと思っていても、子どもが言うことをきいてくれなかったり、余裕がもてなくて、ついイライラして叱りすぎてしまう・・ということがあります。叱るってむずかしい・・けど、どうやって、しつけをしたらいいの? 
そんな親の不安が少しでも減って子育てが楽になるように・・・、という気持ちで、お話させていただきました。

前半は発達段階に応じたしつけのポイント、後半は子どもがいうことをきいてくれやすくなるコツとしてCAREプログラムのエッセンスを紹介。子どもが言うことをきいてくれやすくなるには、まず「子どもとのリードについていくコミュニケーション」を一日5分、意識してみること。コミュニケーション・スキルのポイントをロールプレイを通して学んでいただきました。

子どもは親の「関心」を必要としています。子どもに「ダメ」と叱っても、その行動が改善するよりむしろ悪化してしまうのは、誤った学習をしてしまうからです(=親が注目してくれる)。「繰り返す」「よい行動を褒める」等、ポイントを押さえたコミュニケーションを意識することで、関係が温かくなり、相互作用が改善して、言うことをきいてくれやすくなること・・など、お話させて頂きました。

参加者の皆さまは熱心に参加しくださり、ロールプレイも楽しんでいただけたようでよかったです!

この講座の紹介が今朝の京都新聞洛西版に掲載されました。子育てが少しでも楽になるヒントになってくれていたら・・・嬉しいです。

           温かい日差し、長岡京市の景色は静かで風情がありました。
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2016.11.13 グループ/講座
11月の『心的外傷と回復』読書会を開催しました

今日も朝からいいお天気。日中の最高気温は22.8度と温かい一日になりました。
午後は『心的外傷と回復』読書会。今日の読み合いは「第七章 治癒的関係とは」。

回復のための第一原則はエンパワメントであり、サバイバーが回復の主体でありつづけること、もう一つの原則は自己統御権、自己決定権を取り戻すことであると言います。

「回復は人間関係を網の目にしてはじめて起こり、孤立状態では起こらない。」と、他者との新しい結びを創ることも回復の基礎となります。

そしてこの章では、治療関係において起こる外傷性転移(来談者の情緒反応)、逆転移(治療者の情緒反応)について詳しく説明されています。どちらも良質の治療関係の発展を妨げますが、避けられません。なので予防のためには、クライエントと治療者双方の安全を保障するものとして、治療契約と治療者に対するサポートシステムが大切であると書かれています。

グループで話し合う中で、境界と柔軟性、一緒に話し合うことの大切さを再認識。協働するということについて整理することができました。私にとってこの読書会は、サポートシステムの一つになっています。支援者の方々と学び、体験を共有することで、また頑張っていこうと力づけられています。


次回は12月第二日曜日、回復の第一段階「安全」がテーマです。関心のある方はぜひご参加ください♪

※読書会について詳しくはこちら→支援者支援『心的外傷と回復』を読む~女性のトラウマ読書会のご案内
※トラウマと回復の段階について詳しいことはこちら→トラウマからの回復とレジリエンス・モデル~回復の三段階と8次元

                                     ミントとイタリアンパセリ、植え替えるとどんどん大きくなっています!すごい
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2016.10.30 グループ/講座
10月『心的外傷と回復』読書会&第5回CAREワークショップを開催しました!

昨日に引き続き、今日も気持ちのいいお天気。昨日土曜日の夜間は支援者向けCAREワークショップ、本日の日曜日は午後から『心的外傷と回復』女性のトラウマ読書会でした。

『心的外傷と回復』読書会の読みあいは、第6章「新しい診断名を提案する」。虐待やDVなど、恐怖に晒され自由をはく奪された被害者のトラウマ症状は、PTSD(外傷後ストレス障害)や他の診断名では説明できないと、複雑性PTSDが提案されるに至った経緯について学びました。

本の内容は重いですが、参加者でそれぞれの経験を分かち合うことは視野が広がりますし、希望を感じる場です。研究所が面しているバス通りは日曜日は比較的静かなので(商店街は賑わっていますが)、沈静しつつもほっこりした時間となっています。ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。

それから・・、土曜日は18:30-21:30まで、第5回目の支援者向けCAREワークショップを開催しました。定員8名の研修ですが、ありがたいことに募集してすぐ満員御礼に。
トラウマ予防の取り組みとしてCARE(&PCIT)を学んできましたが、口コミでCAREに関心を持って下さる方が増えて嬉しく思います。今回は、心理、教育、福祉分野で子どもと関わる支援者の皆様がご参加くださり、和気あいあいとした温かい雰囲気のなかで学びあいました。

CAREワークショップの特徴はロールプレイ。今回も、「ロールプレイで子どもを役をしたことが何より学びになった」等、感想をいただきましたが、CAREプログラムは体験から学べるよう工夫されています。

私もそうでしたが、子どもの役になってみることで、大人の関わり方一つでこんなに気持ちが温かくなり、自分が「まとまる」(安心して集中できる)感じになれものだと実感します。一日5分でいい、というのもミソです。

「ダメでしょ」「どうしてこれができないの」など、何度言っても子どもがきいてくれなくて困る・・というのは大人が経験するよくある悩み。つい悪循環してしまいますが、そんなときにもCAREがヒントを教えてくれています。CAREでは子どもが言うことをきいてくれやすくなるコツが詰まっているのです。

さて、大人と子どもの遊びの場面のロールプレイでは、一緒にそばにいる私もほっこり温かい気持ちになってきました。CAREで教えてくれている「子どもとの間に温かい絆をつくるコミュニケーション」が拡がっていくといいな~と思います。3時間、熱心にご参加くださいました参加者の皆さまには心から感謝いたします。

保護者の皆さまには、子育てや子どもの相談のなかで、必要に応じてCAREプログラムを提供させていただいていますので、関心のある方はお気軽にお問い合わせください。

              研究所の玄関の照明がLEDに。明るい!
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2016.10.23 学び-ワークショップ他
複雑性悲嘆の心理療法について学ぶ

10月も毎日があっという間に過ぎていきます。
先週は、東京の国立精神・神経医療研究センターで開催された「複雑性悲嘆の認知行動療法研修」に参加しました。

大切な人を失ったとき、「急性悲嘆」と呼ばれる反応が起こります。
悲しみと切望を伴う心の痛み、信じられない気持ち、思慕、怒りや抑うつなど様々な感情が生じたり、他の人が目に入らなくなったり、思い出させるものを避けたり、現在の生活から切り離されている感覚や無感覚が起こると言われています。

こうした悲嘆は普遍的なもので、自然な反応です。支えてくれる人がいて、悲嘆の過程を共に歩んでくれる人がいることで、時間の経過と共に少しずつ回復していくものです。喪失の現実を受け入れ、亡くなった人を心の中に位置づけていくと言われます。

しかし、何年たっても深い悲しみや苦痛などが軽減せず、生活に支障や障害が出ていたり、人生に目的や意味、喜びや満足がない・・という場合、「複雑性悲嘆」という心理状態にあると考えられます。研修では、複雑性悲嘆の治療として、悲嘆症状を解決して自然な回復を促進するための認知行動療法を学びました。

セラピストとして大切なのは「ともに歩むこと、コンパニオンシップ(companionship)」。
この言葉が一番印象に残りました。心を寄せてともに歩むこと、大事にしたいと改めて思いました。

複雑性悲嘆のための筆記療法というのも研究されているそうです。外出がむずかしい方でも電子メールで利用できるというのはいいなと思います。また学ぶ機会があればと思います。


        ガーデンシクラメン、スタッフが寄せ植えをしてくれました♪
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2016.10.10 日々のこと
コミュニケーションの難しさと大切さ

 
 この連休は日頃できないことをと、実家に帰省していました。介護のために月一回は実家に帰ろうと決めて早一年半。日頃は実家近くに住む妹家族が介護をしてくれていますが、少しはできることをしないと・・と。

 今、今までの人生のなかで一番、親や姉妹と関わっているように思います。思春期の頃からは親から距離を置き、家を出てからは益々離れ、自分の生活や自分の家族、仕事のことで精いっぱい・・で、この年まできました。でもいつの間にか親の介護のときを迎え、さまざまな問題を目の前にして、今や毎日のように妹らとコミュニケーションをとるようになりました。地域の福祉、周囲の人々の助けを借りながら、「老い」、「人生」、「生きる」とは何か、について学ばせてもらっている感じがします。

 そして今日は大阪に戻り、映画『聲の形』を鑑賞しました。映画評論をみて、いじめがテーマと思って観に行きましたが、いじめについて考えさせられることはもちろん、登場人物一人一人に物語があり、引き込まれました。「伝えたいのに伝わらない。欲しいのに得られない」、コミュニケーションのもどかしさ、向き合いたいけど向き合えなさ・・そんな切なさ、愛おしさをしみじみと感じさせられる映画でした。バックで流れる音楽も内面を描写しているようで時に切なく、悲しく、美しかったです。

 ラストシーンは感動の涙。人は人に助けられ支えられて、何とかやっているし、生きていけるのだよねと、ほっと胸をなでおろしました。
 コミュニケーションは難しい、けれど・・、だから・・、大切に、自分の思いを言葉にしていくことができればと思いました。

          青く澄みわたる秋の空。大阪ステーションシネマ、風の広場より。

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2016.10.02 グループ/講座
今月の『心的外傷と回復』読書会

あっという間に10月になりました。今日は10月とは思えないような蒸し暑い一日でした。
午後からは『心的外傷と回復』女性のトラウマ読書会でしたが、今日の読みあいは、第五章「児童虐待」。

この章では、児童虐待が子どもにどのような心理的影響を与えるのか、児童期の慢性的・反復的トラウマについて、生存者の証言や研究をもとに詳しく書かれています。

虐待者と一次的愛着を保つために子どもは様々な心理的防衛を働かせること、解離による虐待の否認、「もう一人の自分」たち(断片的人格)の発生、自分は「生まれつきの悪い子」という自己感覚の発達、またそれをカバーするために「いい子」であろうと努力し続ける等、アイデンティティの問題や人格の断片化が起こること、そしてそれは成人してからも対人関係を妨げるということを再確認しました。

週末、DVの子どもへの影響についてインタビューを受けた記事が配信されましたが(→詳しくはこちら)、DVも子どもにとっては虐待的環境です。虐待・DVが起こっている家庭は世間から孤立していますが、子どものSOSのサインに周囲が気づくことができればと思います。

この読書会は13時半からスタートし、15時までのグループですが、いつもお昼に集合して、スタッフと一緒に「場」を整えて準備します。日曜日は平日とは違って、時間がゆったりと流れるように感じます。ほんの僅かな時間でも、ゆったりした時間の流れを感じると、ほっと一息つきます。参加者の皆さまも楽しみにして下さっていることを嬉しく思います。

明日からまた一週間が始まります。日々の臨床をコツコツと積み重ねていきたいと思います。

             少し曇り空、公園も静かでした。
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