連休のさなか、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
緊急事態宣言が発令されて一か月が経とうとしています。
新型コロナウィルス感染拡大防止のために、最前線で働く医療従事者の皆様、また地域医療を支える医療従事者の皆様に心より感謝申し上げます。
そして、私たちの生活を維持するために働いてくださっている皆様にも感謝申し上げます。
休校が続くなか、子どもの命、生活を守るために、様々な工夫をしながら日々子育てに奮闘されている子育て中の皆様にも敬意の気持ちです。
今私にできることは、自分も含めて大切な人の命を守るため、医療崩壊を防ぐために、三密を避け、外出自粛、社会的距離を保つ、手指消毒・・と感染防止を意識した生活を送っています。
コロナ禍は、カウンセラーとしての仕事の仕方だけでなく、価値観にも影響を与えました。
これまで、カウンセラーとして「安全な場所を提供すること」を大切に、研究所の理念として「安全な場所の創造」を第一に掲げ、取り組んできました。
女性ライフサイクル研究所は2002年の法人化と同時に今の場所に引っ越しましたが、それからずっと私にとっても、この場所(=女性ライフサイクル研究所)は大切な場所、愛着のある場所、愛着のある部屋として大切にしてきた想いがあります。
それが今、「何が安全か」を問い直さざるを得ない事態となりました。
密室は避けないといけない、人との距離もあけないといけない・・と、対面により、話し合うというカウンセリングという援助方法、面接室がリスクを伴うこととなりました。
この事態のなかで、クライエントさん、カウンセラーの安全を守るためにはどうしたらいいか、安全だけど安心じゃないことも起こり得る(外に出なければ安全は守られる、かといって安心できるわけではない)、じゃあ、より安全で安心できる方法はないか・・と葛藤しながら、情報を集めつつ試行錯誤する一か月でした。
ようやく連休明けからオンラインカウンセリングを導入できる体制となり、一段落しましたが、これからも生じうる課題に取り組まなければ・・と、試行錯誤は続くだろうと思います。
ただこうした状況のなかで、改めてというか、やはりというか、大切なのは「人とのつながり」であることを実感した一か月でした。
感染防止のために、社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)、人と人との間の距離を1.8m~2mあけないといけなくなりましたが、だからこそ、人とのつながり、心のつながりがより必要で、大切だと思いますし、実際、いろいろな人とのつながりで、今の状況を何とか生きられていることを実感させられました。
他者と話をするのは「オンライン」上となりましたが、スタッフとのメールのやりとりはもちろん、ミーティングもオンライン上で経験し、この状況のなかでつながれることが有難く、温かく、力づけられることを実感しています。
またオンラインカウンセリングを導入するにあたり、スタッフはじめ周囲の皆様から、学びのための様々な情報をいただきました。また臨床関係のメーリングリストや所属学会からは、コロナ禍における心理支援について、有志の方々が最新の情報を翻訳し届けてくださいました。そのなかで、人やコミュニティ、ネットワークの網の目のなかで支えられていることを実感し、本当に有難く思う次第です。いただいた情報を整理し、自分にできることから役立てていかなければと思います。
これからも「安全な場」として心理的支援を提供できるよう努力していきたいと思いますので、引き続き、女性ライフサイクル研究所の臨床活動をご理解いただき、ご支援いただければ幸いに存じます。
皆さまもご自身のお身体を大切に、少しでも安心できる人とのつながりが保てますようお祈りいたします。
そして一日も早く事態が収束に向かいますよう心よりお祈りいたします。