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所長のブログ~ただ今修行中

2017.06.18 グループ/講座
今月のセルフケア・グループ&女性のトラウマ読書会

今日は一日、グループの日。

午前は「女性のためのセルフケアグループ」の二回目、「安全な場所のイメージを創る」がテーマでした。
このグループは全5回のクローズドグループ(参加メンバーが固定しているグループ)なので、メンバーと一か月ぶりにお会いできるのが嬉しい✧という気持ちでお迎えしました。どんなことをしているのか、少し紹介すると・・

安全な場所のイメージとは、心の中にあるイメージで、ほっとしたり、リラックスしたり、穏やかな気持ちになれる場所を想像します。それは実際にある場所でもイメージの場所でも、入り混じっていても構いません。辛いとき、落ち込むとき、ストレスを感じる時など、イメージのなかで安全な場所を想像することで、いつでもどこでもその場所にいって、心を休息させることができるのです。

今日のアートワークでは、安全な場所をイメージして、それを好きな画材(クレヨン、クレパス、絵具、水彩色鉛筆など)を使って画用紙に描きました。
自分だけの特別な場所✧、世界に一つだけの大事な場所✧を描き、それぞれの場所の意味をシェアする・・、このアートワークは私自身とても好きです。

アートで描いた後は、身体感覚への「気づき」を大切にする時間をもちます。ソマティックエクスペリエンス(SE)の手法を用いながら、「安全な場所」を五感でイメージしました。

ちょうどお昼に終了。皆さんと一緒に、心地よく、いい時間を過ごせてよかったなぁと、私自身も嬉しい気持ちに満たされました。

そして午後は『心的外傷と回復』を読む読書会。
第三章「離断」がテーマでした。

この章では、トラウマ的出来事がいかに人間関係の絆や地域社会とのつながりを引き裂き、「世界のなかにいて安全である」という感覚、基本的信頼感を壊すか、そしてそれが、他者との関係によって形成され維持されている自己(セルフ)に損傷を与えるかについて説明されています。
また安全感、基本的信頼感を回復するためには家族、友達、恋人など身近な人からケアされること、社会的支援や支持的な環境が必要なこと、自己の肯定的な見方や自己の尊厳を回復していくためには自分以外の人からの援助が必要なことについて書かれています。

この章を読んでいつも思うのは、他者との温かいつながり、他者や社会からの支援が回復のためには不可欠なこと、重要なことを、もっと世の中で理解されるようになってほしいということ。では社会的な働きかけとして、私に何ができるか・・、ということを考えさせられています。

午後のこのグループはオープングループ、いつからでも参加は自由なグループです。初めて参加くださる方、継続してご参加くださる方などいろんな方と一緒に、互いに「グループのルール」を守るという約束のもと、安全性を確保しながら、感じたこと、印象に残ったこと、質問したいことなどシェアしています。

今回も今日のテーマについて学び、思いを分かち合い、理解を深めました。そしてグルーブを閉じるとき(終了時間)、私自身にとってもこのグループは「社会とつながる場」となっているなぁと「つながり」を実感できたことに喜びを感じました。

来月は7月30日です。また来月のグループを楽しみにしています。関心のある方はぜひご参加ください。女性のトラウマ読書会グループの案内はこちらです。→★


            グループの部屋の棚を片付けてスッキリ。少しずつ模様替え中。
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2017.06.07 グループ/講座
家族、子ども、女性の支援

今日は一日雨。雨の日は心なしか外の世界も、自分の内側の世界も「静か」になるように思います。今日は研究所で面接しながらも、ゆったり静かに過ごしました。

先週は、家族、子ども、女性の支援に関する講師として教育に関わった一週間でした。
5月30日は、大阪府立大学大学院の家族看護の授業で、コミュニケーションや援助関係についての講義と演習、
6月3日の夜は、第6回CARE支援者向けワークショップを開催、
6月4日は、立命館大学大学院の司法臨床の授業のお手伝い。司法臨床では「女性と人権」をテーマに取り組まれていますが、この日はDV、セクシュアルハラスメントのロールプレイ実習で協力させていただきました。

「教えることは学ぶこと」をいつも実感します。「教え-教えられる」関係を通して、私自身もとても学ばされ、気づきが深まりました。気づいたことは臨床に還元し役立てていきたいと思います。

さて、CAREワークショップでは、終了後に参加者の皆さまに感想やご意見などをお聞きしています(詳しくはこちら⇒★)。「日本では教える・指導する方法がまだまだ標準で、子ども観、子どもの視点というのは少数派だと思いますが、プログラムが拡がったらいいなと思います。」というご感想もいただき、じーんと胸があつくなりました。

子どもが大人と温かい関係を築き、自分が価値ある存在と思え、自尊心や自信をもって活き活き自分を生きられることを願って、これからもCAREワークショップを継続していこうと思います。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました! 

次回支援者向けワークショップは、12月16日(土)の予定です。詳しくは9月頃、ホームページにてご案内させていただきます。
※支援者の方にはCAREワークショップとして年二回ペースで開催していますが、保護者の方には個別にカウンセリングのなかでCAREプログラム(心理教育)を提供しています。関心のある方はお尋ねください♪


最後にNPOからご案内です。
「誰もが安全に安心して暮らせるコミュニティをつくる」ことを目指して設立されたNPO法人FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワークが、設立15周年を迎えました。来る7月9日に記念イベント「家族の状況は変わったか?」を開催します。詳しくはこちらをご覧ください。⇒★ ぜひ多くの皆さまのご参加をお待ちしております。


               今日のお花。花びらの曲線が優雅でうっとり。
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2017.05.26 講師活動
臨床心理士しての働き方、私の場合

昨日は久しぶりに立命館大学へ。ゲストスピーカーとして臨床心理学を学ぶ院生さんにお話させて頂く機会をいただきました。臨床心理士が他の職種の方とどう連携しながら働いているか、地域での経験を中心に紹介しました。

臨床心理士となって十数年、女性ライフサイクル研究所での臨床を中核におきながら、より女性の生活に近い現場へと地域に出向いて、非常勤カウンセラーを務めてきました。女性センター、総合病院産婦人科・小児科、児童相談所と三つの職場のなかで、女性相談員、弁護士、医師(精神科医、産婦人科医、小児科医など)、看護師、助産師、医療ソーシャルワーカー、社会福祉士、児童福祉士などの専門職の方から事務局や事務職員まで、現場に応じて様々な関わりがありました。

また、直接の接点はないけれど、他の職種の方やクライエントさんを通して、間接的に連携することもありました。保育士、保健師、教師、子育て支援課職員、子育て訪問支援員、介護士、ヘルパー・・など、より女性や子どもの生活に密接に関わっている方々です。場合によっては、直接お話することもあります。

今回、自分の経験を振り返って話をすることで、改めて認識できたこと、気づいたことがあります。
女性に子どもがいる場合は特に連携が必要となってくることが多いこと、女性の(母親の)支援者、子どもの支援者など連携するためには共通理解が必要なこと、そして連携とは信頼関係をつくることであり、丁寧に話し合っていくことに他ならないのだと。

これからも、当事者であるクライエントさんを中心にしながら、信頼関係づくり、丁寧なコミュニケーションを心がけていければと思います。

臨床心理士の働き方も現場のニーズによって異なると思いますが、私の経験も一つの例として、学生の皆さまのお役に立てたなら嬉しいです。


                  新緑がまぶしいこの季節、清々しくて心地いい。
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2017.05.21 グループ/講座
女性のためのセルフケア・グループ&女性のトラウマ読書会

今日も昨日に引き続き、日中は暑いくらいのいいお天気。
午前中は今日からスタートした「女性のためのセルフケア・グループ」、午後は『心的外傷と回復 』女性のトラウマ読書会でした。

「女性のためのセルフケア・グループ」は本日から月一回全5回、アートセラピーの手法を用いてトラウマ反応を緩和するためのセルフケアを学んでいきます。本日第一回目は「呼吸を描く」がテーマでした。不安に圧倒されるとき、呼吸をコントロールすることで不安をコントロールすることができます。呼吸の深さ、速さ、リズム・・など、自分の呼吸に気づき、呼吸が変化することを体験いただきました。最後は簡単なボディワークで心と身体を統合する時間をもちました。

午後の読書会グループは、『心的外傷と回復』の第二章「恐怖」がテーマ。心的外傷(トラウマ)となるような出来事は、特別なことではなく通常の生活のなかで起こっており、性的暴力、親密な関係でおこる暴力は女性の人生の一部となっていると言います。今日はPTSD(外傷後ストレス障害)症状の三つのカテゴリー、「過覚醒」「侵入」「狭窄(無感覚反応)」それぞれについて詳しく学びました。

先週のSEイントロ・ワークショップでのお話、セルフケアグループ、読書会と・・それぞれの目的や対象者、参加者は違いますが、一つ一つの取り組みが有機的につながっているなあと嬉しく感じました。女性ライフサイクル研究所のグループルームという小さな「場所」ですが、人と人とが出会う場、つながる場となり、そこからさまざまな物語が生まれていけばいいなぁと願っています。

今日の充実感を糧にして、また来月のグループを楽しみにしたいと思います。

                昨年秋に挿し芽したお花がこんなに咲きました!
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2017.05.14 ソマティック・エクスペリエンシング®
SE紹介ワークショップ&ポリヴェーガル理論を学ぶワークショップを開催しました!

今日は、東京より浅井咲子先生にお越しいただき、トラウマへのソマッティク・アプローチを学ぶワークショップを開催しました。

午前中はソマティック・エクスペリエンシング(以下、SE)イントロ・ワークショップ。SEプレゼンターであり、SEトレーニングで多数のアシスタントを務めてこられた浅井咲子先生から、SEの基礎となっているトラウマの心理・生理学的な基礎理論と方法を、ビデオの映像も交えながら、とてもわかりやすくお話いただきました。
  ※SEについてはこちらをご参照ください⇒

午後はSEと関連が深いポリヴェーガル理論 (多重迷走神経理論)について、ワークやゲームもご紹介いただき、楽しく体感しながら学びました。

研究所のスタッフも参加しましたが、皆で一緒にSEやポリヴェーガル理論を学べ、とても有意義な時間でした。日常を離れて、リラックスしてくつろぎながら充実した学びの時間を持つことができて、有り難く思います。また頑張ろう~というエネルギーももらいました。口コミでご参加くださった皆様からも、居心地よく学ぶことができた等、嬉しい感想を聞かせて頂きました。ご参加くださった皆さま、大阪までお越しくださった咲子先生、ありがとうございました! 準備や片付けまで力をかしてくれたスタッフにも感謝。

さて、ワークショップが終わり、後片付けが終わった後は、来週日曜日から始まる「女性のためのセルフケアグループ」の打ち合わせをしました。このグループは、トラウマの影響に対してアートセラピーの手法を使ってセルフケアに役立ててもらおうというものですが、自己調整を学んでいただけるようSE的なスキルも紹介しています。その一つとして、イメージと身体感覚(フェルトセンス)をつなぎ、「今、ここ」につながれるように、工夫しています。

まだ現在参加者受付中ですので、関心のある方はお気軽にお問い合わせください! 詳しくはこちらをご覧ください⇒


           研究所のグループルームから。咲子先生ありがとうございました!
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2017.04.29 トラウマ
子どものためのトラウマフォーカスト認知行動療法を学びました

4月29日・39日の二日間、東京で開催されている「トラウマフォーカスト認知行動療法・アドバンストレーニング」に参加しました。講師はTF-CBT国際トレーナーのDavid先生。

トラウマフオーカスト認知行動療法(TF-CBT)は、トラウマを体験した子どものための治療法で、トラウマ体験と関連する精神症状をもつ子どもたちの最も効果的な介入の一つとして認められています。
子ども期のトラウマ体験には、性的虐待、身体的虐待、DV、地域の暴力、大切な人との死別やトラウマ性喪失、自然災害、人為災害、交通事故、火事、その他医療トラウマなどが含まれます。

TF-CBTのトレーニングに初めて参加したのが、ちょうど5年前。時間がたつのは早いです。今回のアドバンストレーニングでは、発達障害、複雑性トラウマ、トラウマ性悲嘆を有する子どもへのTF-CBTがテーマでしたが、新しく学びながら、自分のなかでこれまでの実践を振り返り見直す時間となりました。

子どもがトラウマを乗り越えて成長するレジリエンス、レジリエンスを引き出し強めるTF-CBTはとても勉強になりました。特に性的虐待を受けた子どもと養育者、DVに晒された母子の支援に役立てていけれるよう、少しずつでも学びを続けていければ・・と思いました。参加できてよかった、ありがとうございました!

          会場の東京都ウイメンズプラザ。素敵な空間でした。IMG_2257 (2).jpg

2017.04.18 トラウマ
4月の内部研修は・・「解離」を学ぶ

今日は、月一回の内部の臨床研修の日。

スタッフそれぞれが昼間の仕事を終えた後、夜に集まるので時間は短いけれど、継続は力なり!
毎月、少しずつでも積み上げることで、皆がメキメキとスキルアップされていることが本当に素晴らしい~と感じる、嬉しい時間です。今日も、お茶とおやつをつまみながら、充実した時間はあっという間に過ぎていきました。

今日のテーマはスタッフの希望で「解離」。解離を理解することが、トラウマ臨床のキーポイントとなるので、とても重要です。新スタッフには新たな知識を学んでもらい、先輩スタッフは復習する時間となりました。

トラウマが神経系にどのように影響を与えるか理論を学び、簡単なワークでは、自分自身の身体への「気づき」を高めながら、自分の身体におこるストレス反応、リラクセーション反応、その変化に気づいてもらいました。身体のもつ自己調整力やレジリエンス(回復力)に少しでも触れてもらえたら嬉しく思います。

こうして皆で一緒に学びあう時間は、グループの相互作用によって新たなものが生まれる創造的な場でもあります。今年度は「解離」をテーマに、一年かけてコツコツと研鑽を積んでいきたいと思います。

            グリーンがいきいき! 植物の生命力に元気をもらいます。玄関から。
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             昨日はつぼみだった芍薬が一気に開花し、うっとり。

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2017.04.17 グループ/講座
4月の『心的外傷と回復』女性のトラウマ読書会は・・

昨日の日曜日の午後は、今年度第一回目の『心的外傷と回復』読書会。
第一章の「歴史は心的外傷を繰り返し忘れてきた」を読みあいました。

本書によりますと・・、

心的外傷(トラウマ)研究の歴史は、活発に研究が行われる時期と忘却期が交替し、忘れられてはまた再発見されてきました。19世紀においては三度、第一に19世紀後期のヒステリー研究、第二にシェルショック(砲弾ショック)と戦闘神経症、第三に性的暴力とドメスティックバイオレンスが、それぞれの政治的背景のもと、別個に研究が押し進められました。

1980年代以後になって、ベトナム戦争からの帰還兵の努力によって「外傷後ストレス障害」概念が公認されるようになり、ようやく、レイプ、ドメスティックバイオレンス、性的虐待生存者たちに見られる心理学的症候群も戦争体験者たちに見られる症候群と本質的に同一であることが明らかとなりました。

第一章では三つの心的外傷の研究の歴史を社会的文脈から理解を深めましたが、実はこの三つは切り離せずつながっているということが重みをもって胸に迫ってきました。そして臨床家として姿勢を正す気持ちにさせられました。

4月で三年目にはいった読書会、今年度から、関心をお持ちの方であれば女性の皆さまにご参加いただけるようになりました。一人では読むのが難しいところも、皆で読みあうことで理解を深めあっていくことができると思います。
来月は5月21日(日)13:30~15:00、読み合いは第二章「恐怖」です。詳しくはこちらご覧ください→★

皆さまのご参加をお待ちしております。

                                                         FLCの八重桜が咲きました!
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2017.04.04 日々のこと
2017年度がスタートしました

新年度のスタートと同時に桜がようやく開花しました。昨日に引き続き今日もいいお天気、日中は温かく気持ちも晴れやかになります。

研究所では今年度も新しくスタッフを迎え、フレッシュな空気が流れています。
今日は朝から新人研修、夜は今年度第一回目のスタッフ会議。
新人スタッフを迎えるべく、スタッフが惜しみなく温かいサポートを提供してくれることに感謝の気持ちです。

「教えることは教えられること」「コミュニケーションとは変化すること」、何かの本で書いてあった言葉を思い出しながら、自分自身が人との関わりの中で学ばされ、成長させてもらっていることを実感し有難く思います。

所長に就任して4年目の春を迎えられたことにもほっと一息つくと同時に、皆さま方のご支援とご協力に心から感謝する次第です。初心に立ちかえり「初心忘るべからず」と心を引き締め精進していきたいと思います。

今年度もスタッフ一同、よりよい援助を提供できるよう、そして「安全な場を創造できるよう」日々の研鑽に努めていきたいと思いますので、皆さまどうぞよろしくお願い申しあげます。

                   桜が開花しました! 希望を託す気持ちです。
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2017.03.20 グループ/講座
3月の『心的外傷と回復』読書会は・・

週末から三日間、日中はぽかぽか陽気で気分も心地よく過ごすことができましたが、皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか。

土曜日は研究所での面接、日曜日の午後は『心的外傷と回復』女性のトラウマ読書会、その後実家に一泊で帰り月曜日の晩に大阪に戻り・・と、あっという間に連休が過ぎました。

昨日の『心的外傷と回復』女性のトラウマ読書会は、最終章の「共世界」(human commonality)がテーマ。

外傷的事件は個人と社会とをつなぐきずなを破壊します。トラウマ体験の中核は孤立無援感と無力化であるため、トラウマからの回復は「つながりの回復」とエンパワメントにあります。この章では特に、グループ体験の治癒力と、回復の段階ごとのグループについて学びました。

被害者は、ある人が惜しみない度量で自然体で示してくれた、ごくふつうの愛他性(相手の身になって考え相手本位で行動すること)によって、それを鏡として自らの失われた部分を認め、それを取り戻し、そしてその瞬間から人間の共世界(human commonality)に再加入しはじめると言います。

社会のきずなの取り戻しは「一人ではない」という発見を以て始まり、この体験が確実、強力、直接的なのはグループをおいて他にはないと、著者のハーマンは言います。グループの治癒力はその「普遍性体験」にあります。

私自身はこの章を読みながら、女性ライフサイクル研究所の過去から現在までの「グループ体験」が頭の中を駆け巡り、次年度に計画しているグループについても思い巡らせました。

・・・その背景には、ちょうど先日、研究所とNPOについて話を聞きたいと、台湾からのお客様があり(村本が台湾の女性支援機関を訪問したご縁です→★)、1990年から現在までを振り返ると同時に原点の感覚を思い出したことにもよります。

原点の感覚とは、「個人的なことは社会的なこと」と本当にいろんなこと、女性としての体験を語り合ったことです。当時は子育てについて悩み、仕事と子育てに葛藤を抱えていましたが、語り合う中で、「私だけじゃないんだ」「一人じゃないんだ」と普遍性の体験を実感しました。それは、私は私らしく生きていいんだと自己肯定感の回復へとつながりました。それはシスターフッド(女同士の友情)によって支えられていました。
・・・そんなことをこの数日振り返りながら、これからのことを思いめぐらしていました。

読書会が終わった後、4月から3クール目がスタートする読書会の持ち方について、スタッフで話し合いました。この二年間は、私たちが支援者の方と共に本書を元に勉強しシェアすることに重きを置いていましたが、4月からは少し間口を拡げて開催していくことになりました。

この読書会が、虐待、DV、性暴力被害者のトラウマと回復について関心をもっている方々が人や社会とつながる一つの「場」として、提供できればいいなと思います。

この一年、春、夏、秋、冬が過ぎて、また新たな春が訪れました。一つのサイクルが巡り、4月からまた新たなサイクルがスタートすることをしみじみと有り難く、嬉しく思います。


             昨年の10月から次々と新しい芽が出て、花を絶やさず咲き続けてきたシクラメン、すごい!
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