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所長のブログ~ただ今修行中

2023.05.28 トラウマ
最近の活動から~EMDR臨床家向けセミナーに参加して

週末からいいお天気が続いています。最近はいいお天気の休日はせっせと順に冬物のお洗濯。できるだけホームクリーニングし、近年着用してないな~というものはリサイクルショップへ、そして最終は古紙回収やウェィスに。じめじめした梅雨が来る前に、すっきり片づけたいな~といったところです。

さて、最近の活動から。
先週21日日曜日は、東京TAPPE主催・EMDRトレーニング修了者向けのセミナー「EMDRとCBT」に参加しました。講師は武蔵野大学の菊池安希子先生。CBTとは認知行動療法のことですが、CBTのなかでもPTSD(心的外傷後のストレス障害)にエビデンスが認められているものにはCPT(認知処理療法)とPE(持続エクスポージャー療法)があります。先生はEMDR、CPT、PEそれぞれの治療原理について、そしてご自身の臨床実践やその際の指針についてもお話下さり、とても有意義な勉強をさせて頂きました。

私自身、トラウマ心理療法において過去のトラウマ記憶にアプローチする際にはEMDRを第一選択肢として検討しながら、症状や回復の段階に応じてCPTを使用することもあります。またEMDRにおいては必要に応じてSE™や自我状態療法のアプローチも取り入れています。PTSDの主な症状には、①侵入症状、②回避症状、③認知と記分の陰性の変化、④過覚醒がありますが、どこに焦点をあててどう取り組んでいくかはアセスメントのうえで、見立てや治療モデルをクライエントさんに説明したり、話し合いながら計画をたてていきます。
今回のセミナーで学ばせていただいたことは、こうした心理療法計画をたてる際に意識して役立てていきたいと思いました。学びの場を提供くださいました講師の先生や企画運営くださった方々に感謝です。

さて、今年7月にはEMDR学会大会と継続研修が対面にて開催されると詳しい案内も届きました。
コロナ明けて初の対面での大会と研修、企画運営してくださっている方々に感謝すると共に、今から楽しみに参加させていただきたいと思います。

ちょうど昨日、日本EMDR学会認定「臨床家資格更新」が認められたとのご連絡をいただきました。これからも研鑽を積み、より安全に希望をもってトラウマからの回復のお手伝いできるように精進していきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

シクラメンが終わったあと、今年もピンクのお花を咲かせてくれました
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2023.03.17 トラウマ
「気温の春」と共に感じる人とのつながり~SE™トレーニングから

春は3段階でやってくると言われます。立春の頃、日照時間が長くなり明るい光を感じる「光の春」、雪解けの音や鳥のさえずりが聞こえてくる「音の春」、そして温かさを感じる頃の「気温の春」。前回のブログから一か月半の間、日々のことに追われつつも3段階で春を楽しもうと過ごしております。今週は20度近く気温があがる日もあり「気温の春」を感じています。来週は桜の開花が楽しみです。

さて、この間にはトラウマ・ケアのトレーニングをいくつか受けていました。
メインイベントはSE™(ソマティック・エクスペリエンシング)関西上級トレーニングです。3月1日~6日まで大阪で開催されたSE上級トレーニングにアシスタントとして参加しておりました。初級、中級トレーニングはコロナ禍のためにオンライン開催でしたが、今回は対面トレーニング! 米国から来日くださった講師のデイブ・バーガー先生、オーガナイザー、アシスタント、受講生の皆さまと共に、時間だけでなく「場」も共有しながら学び、経験できることの喜びをしみじみと味わう6日間でした。人間の身体性、全体性を感じつつ人とコミュニケーションがとれるのは何とありがたいことでしょうか。

3年というコロナ禍を経た今、生きていることに感謝の気持ちを忘れずに、人とのつながりを大切にしてゆければ・・と思う今日この頃です。

気温の春を感じるものの、寒い日もあり三寒四温は続きます。皆さまもどうぞお身体にはお気をつけてお過ごしくださいませ。

シクラメンは冬を越え、今年も無事に開花しました!
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2023.02.05 日々のこと
立春~新しいこと始め

昨日2月4日は「立春」。二十四節気では新しい年のスタート、春の始まりとされる日です。今日はほんと、春のようなぽかぽか陽気で、日差しの温かさを感じて嬉しくなりました。

この週末3日間はオンライン授業。新たにトラウマを扱う心理療法を学び始めました。今週末もこれとはまた別に、複雑性PTSDへの心理療法を学び始めます。
どちらも本や論文で読んだり、学会シンポジウムで話を聞いたりし、以前から学びたかったものです。たまたま重なり忙しくなりましたが、学べる機会をいただけるのは大変ありがたいことです。
無事に最後まで学べるように、しっかり睡眠をとって身体も動かし体力をつけなくては・・!!

週末にはPCITのオンライン講座や月一回のトラウマ読書会もあります。
アプローチ法は異なっても、私のなかでは「トラウマからの回復」と「関係性の絆の修復、育成」は一貫したテーマです。

まずは今週一週間、元気に過ごせますように!
皆さまもどうぞご自愛くださいませ。

ラナンキュラス、チューリップ、お花屋さんには春のお花が増えました。
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2022.12.27 日々のこと
今年もご支援をありがとうございました

今年も残すところあと僅かとなりました。
月日がたつのは本当に早いです。
今年中にやってしまいたいことやまだできていないことを考えると焦りますが、あきらめが肝心、優先順位で一つずつ・・と自分に言い聞かせ、心を落ち着かせています。余裕をもって一年を終え、新たな気持ちで新年を迎えられたらと思います。

さて、この一か月も相変わらず週末はオンラインのイベントが続いていました。
11月末はPCIT&CARE合同研究大会、12月はCAREのコンサルテーショングループ、子どものトラウマ・アセスメント研修会&TF-CBT(トラウマフォーカスト認知行動療法)トレーニング研修会に参加しました。
そして、研究所主催の月一回のオンライン女性のトラウマ読書会、本日はこれからオンラインのスタッフミーテイングです。

今日は先ほどまで年末の大掃除。日頃できないところをスタッフそれぞれが自主的にお掃除してくれ、研究所もすっきりさっぱり綺麗になりました! スタッフがお掃除上手で、感嘆します!
新年気持ちよくクライエントさんをお迎えできるようにと、惜しみなく力を出してくれるスタッフの姿に胸が熱くなりました。信頼のおけるスタッフと共に仕事ができることを幸せに思います。
寒いなか本当にお疲れ様でした。

新年早々には玄関の入り口の壁紙のリフォームがあります。
綺麗になった玄関でクライエントさんをお迎えできるのが嬉しいです。

さて、今年の仕事納めまであと2日。今年も周囲の皆様の温かなサポートやつながりのおかげで無事に活動を続けてくることができました。今年も大変お世話になりありがとうございました。来年も変わらぬご支援のほどよろしくお願い致します。

このブログをお読み下さっている皆様にも感謝いたします。
皆様もお身体にはお気をつけて、どうぞよいお年をお迎えください。


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2022.01.12 トラウマ
2022年仕事始め&オンライン始め

寒さが厳しくなってきました。
先週1月6日は仕事始め。コロナ感染状況が気になる年明けでしたが、無事にクライエントの皆様とお会いでき、ほっとする気持ちでスタートできました。そして7日は今年のオンライン始めでした。

7日・8日は「IFS、トラウマ、神経科学~トラウマを超越する」オンライン講座、9日は研究所主催の女性のトラウマ・オンライン読書会、10日は「レジリエンスを育む」オンライン講座に参加しました。


★「IFS、トラウマ、神経科学~トラウマを超越する」講座の講師はハーバード・メディカルスクール出身でIFSトレーナーのF・アンダーソン博士。アンダーソン先生は精神科医でセラピストでもあることから、神経科学の知見を踏まえながら、IFSについてとてもわかりやすくお話くださいました。

IFS(Internal Family Systems)は内的家族システム療法のことで、リチャード・シュワルツ博士によって開発されました。IFSでは心は複数の部分(パーツ)によって成り立つというモデルを使用します。私たちは皆、相互交流する無数のパーツがある内的システムを持つと考えます。そして皆にパーツではない核となるSelf(本質というべきもの)があるとし、リソースとなるセルフを感じながら、パーツのニーズに対応していくアプローチです。

アンダーソン先生の講義はとてもわかりやすく、質疑も明解で、時にはユーモアを交えながら楽しくIFSについて学ぶことができました。エクササイズやデモもあり、IFSはなんと受容的で優しく温かいアプローチなんだろうと実感しました。人への共感と思いやり、そして信頼を土台にしているアプローチに心から感銘を受けました。これからもぜひ引き続きIFSを学んでいければいいなと思います。まずはアンダーソン先生の次回の最終講義をとても楽しみにしています。


★「レジリエンスを育む」講座の講師はSE™シニアティーチャーのキャシー・ケイン博士と愛着の専門家スティーブ・テレール博士。今回の講座にはアシスタントして参加させて頂いています。

この講座も、とても人に優しく、温かいものでした。「トラウマの癒し」にとって、まずは「安全であること」を強調されていましたが、安全とはどういうことか、セラピーの場が安全であるためにセラピストはどんなことを大事にする必要があるのか等、理論的にも臨床的にも大変学びになりました。特に発達トラウマについて神経生理学的理論の基礎から学ぶことができました。次回もとても楽しみです。

初めてキャシー・ケイン博士の講義を受けたのが2014年。SEの仲間と一緒に、ロサンゼルスに三度足を運んだことがとても懐かしく思い出されました。今もまた、こうして先生方やSE™を共に学んできた皆様と再びつながれることをしみじみと有難く感じます。


オンラインだからこそ学べ、再会し、つながる機会がありますことに感謝の気持ちを持ちながら、学んだことを活かせるように、コツコツと日々の臨床の時間を大切にしていきたい思います。


★関連図書
内的家族システム療法スキルトレーニングマニュアル』フランク・G・アンダーソン、マーサー・すうぃーじ、リチャード・C・シュワルツ著、浅井咲子・花丘ちぐさ・山田岳訳、岩崎学術出版社。
レジリエンスを育む~ボリヴエーガル理論による発達トラウマの治癒』キャシー・L・ケイン、スティーブ・J・テレール著、花丘ちぐさ、浅井咲子訳、岩崎学術出版社。

★関連記事
ブログ「タッチスキル・トレーニングに参加しました」2014年
ブログ「タッチスキル・トレーニングに参加しました~その2」2015年
ブログ「内的家族システム療法(IFS)入門講座に参加しました」2019年

年末蕾だった菊がきれいに開花しました
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2021.10.04 学び-学会・研究会
EMDR学会大会&継続研修に参加しました。

10月1日の「衣替え」を過ぎたものの、今日も日中は秋晴れの暑い日でした。今週はまだ暑い日が続くと聞きましたので、まだまだ半袖が必要そうです。

さて、先月23日に開催されたEMDR学会大会に続き、10月2・3日とオンラインでの継続研修に参加しました。研修はスペイン在住のドロレス・モスケーラ先生による「解離性障害の声とワークに取り組む~EMDRセラピストのための実践的ガイド」のワークショップ。スペインの日中時間にあわせて日本時間は16~22時までの開催でしたので、土曜日は面接を終えた後に、日曜日はのんびり休日を過ごした後に参加できました。

会場に出向いての非日常の空間と時間での研修とは異なり、自宅にいながら学ぶという日常の空間での研修のため、意識の切り替えが難しかったですが、貴重な学びの機会をいただけてとても有り難かったです。一年前からご準備くださりご尽力くださいました方々に感謝です。さらに有難いことに、研修に間に合わせてドロレス先生の著書が翻訳出版されましたので、今後自分のペースで本を読みながら、消化吸収できればといいなと思います。

明日はスタッフ勉強会『トラウマからの解離からの回復』の最終章11章の読み合わせです。頭の中が整理できていませんが、消化できたものから少しずつ引き出しに入れていければなと思います。

寒暖の差が激しいですので皆さまもどうぞご自愛くださいませ。

自然を感じたくて、お昼は自転車で公園へ。
お日様の光と緑を感じて深呼吸。

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2021.08.04 グループ/講座
8月の女性のトラウマ読書会&スタッフ読書会

コロナ禍のなか、猛暑が続いています。

あっという間に8月に入りましたが、1日は第四回女性のトラウマ読書会、昨日3日夜はスタッフ読書会と、読書会続きでした。

『DVにさらされる子どもたち』を読む女性のトラウマ読書会では、第7章「回復への支援:加害者が子どもに与えるリスク評価と面会プラン」第8章「変化は本物か? :加害者の親としての変化を評価し促進する」を読みあいました。

7章では、別居後に加害者が子どもに与えるリスクの評価について述べられています。別居後、監督なしに加害者が子どもと接触する際にあらゆる面でリスクが高まることが詳細に書かれており、驚きでした。母親の権威を貶め、母子関係を損なうリスク、権威主義的態度で子どもに関わるリスク、子どもを放任し無責任な態度で関わるリスク、母親に対する新たな脅しや暴力に子どもをさらすリスク・・等。
そのためリスク・アセスメントを行いますが、その際に必要な情報は、本人の他、現在・元パートナー、子ども、友人、親戚、裁判所や警察の記録、児童保護機関の記録、学校の教職員、その他関係者から幅広く収集するということでした。

本書を読んで、米国では(著者の州?)、離婚後の子どもとの面会プランを、評定者が綿密にアセスメントの上で決定し、その後も加害者の変化のステップを評価し続けることがわかりましたが、日本におけるシステムや社会での問題意識の違いには愕然としました。

親権を決定し、面会プランを設定する際の第一の目的は「子どものおもな生活の場となる家庭が安全で安心できる環境にすること」子どもがきょうだいや暴力を振るわない親との間に健全な人間関係を育めるよう支援すること」であり、「まずはこの目的を優先すること」と著者は言います。
別居・離婚後においても、地域社会全体、関係機関で、子どもの安全と安心、傷つきからの回復を第一にする視点とその取り組み方を、わが国の裁判所や関係機関、支援者も学ぶ必要があると思いました。

3日は『トラウマによる解離からの回復』を読むスタッフ読書会。今回は7章「自殺願望、自己破壊、摂食障碍、嗜癖のパーツに働きかける」8章「セラピーの難点-解離性症状と障碍」について読みあいました。
境界性人格障害の症状、DID はじめとした解離症状に、どう働きかけるのか、具体例(セラピー場面でのセラピストとクライエントのやりとり)が書かれているので、とてもイメージしやすくてわかりやすいです。

著者は構造的解離モデルとセンサリーモーター心理療法(SP)を統合し、内的家族システム療法(IFS)なども用いながら、身体と神経系、パーツに働きかけるアプローチを行っていますが、「いま、ここ」を大事にし、内なる対話を大事にした著者のアプローチ法はとても安全で、信頼と温かさに満ちているな・・と大変学ばされます。

今後も一歩ずつ、スタッフと切磋琢磨しながら、研鑽を積んでいきたいと思います。

【関連記事】
2015年12月:FLCスタッフエッセイ「ドメスティック・バイオレント(DV)の家庭で育った子どものトラウマと回復」

猛暑のなかお花が枯れやすいですが、百合は強いな~! 
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2021.06.14 グループ/講座
6月の女性のトラウマ読書会は・・

昨晩は夜中の雷にびっくり飛び起きましたが、今朝は晴れていいお天気になりました。

昨日日曜日は、『DVにさらされた子どもたち』読書会の二回目。
今回は第三章「衝撃波:加害者が家族に及ぼす影響」第四章「近親姦を犯すDV加害者」を読みあいました。

第三章では、DV加害者の行動パターン全体が家族の力学に重大な影響を与えることついて、研究や著者の経験を踏まえながら解説されています。重大な影響とは、一言でいうと「家族の絆の断絶」です。子どもにみられる症状の主な原因の一つは、この「家族の絆の断絶」にあると著者は言います。

わかりやすく、一つのエピソード(複数のケースを組み合わせて作成されたもの)を用いながら、母親の権威のおとしめ、母子関係の悪化、子どもを武器ととして利用する等、家族を分裂させていく様が説明されています。

他にも、特定の子どものスケープゴート化、あるいはえこひいき、役割逆転、絶え間ない恐怖にさらすことや情緒的ネグレクト等、子どもへの影響も深刻と言えます。母親の子育ても通常の何倍も大変になります

そのため、子どもを支援しようとする専門家は、「母親の権威の失墜、母親に対する否定的な見方が加害者から子どもに伝わること、虐待が引き起こす家族の分裂という重要な問題を考慮する必要がある」と言います。そして、長期的な回復と福祉の助長のためには、情緒的なトラウマ回復の支援と共に「母親やきょうだいとの絆を修復、強化できるように手を貸すことが重要」と訴えています。

第四章では、まず「近親姦加害者とDV加害者」の関連を先行研究を概観しています。そして、小児性愛者と近親姦加害者との違い、DV加害者と近親姦加害者に見られる共通点や、共通する態度の特徴を解説しています。
そして、精神保健や法律の専門家は、「この二つの虐待に共通する力学を理解することによって、両者の影響を受ける子どもへの対応を強化することが可能」と提言しています。

DVにさらされた子どもには、トラウマの回復のみならず、母子やきょうだい間の絆を回復できるよう、児童福祉はじめ福祉全般、司法、医療や心理など、多層的な支援が必要だということを改めて思います。DVは社会的な問題であることを再認識しました。

一人で読み込むのは難しいですが、読書会では皆で共有できるからこそ、しっかり学ぶことができて有難く思います。

ちなみに、今年度のスタッフ研修のテーマは「解離」です。前半は『トラウマによる解離からの回復~断片化された「私たち」を癒す』(ジェニーナ・フィッシャー著、国書刊行会発行)のスタッフ読書会として学んでいくことになりました。スタッフ読書会は初めての試みです。
昨年、30周年オンラインセミナーで講師を務めてくださった浅井咲子先生の翻訳図書を、今年も引き続いて学び、スタッフ一一同、研鑽に努めてゆければと思います。

ラベンダー色の花弁にうっとり。
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2021.06.07 日々のこと
今年もオンライン学習が続きます・・

昨日も今日もいいお天気。梅雨の中休み、陽射しを感じ気持ちも晴れやかになります。

この半月、老親の緊急事態で一年ぶりに故郷に帰省する等、バタバタしていました。コロナ禍のなか老親とはすぐ会えませんが、姉妹で顔を合わせて久しぶりに話す時間がもてたことは有難いことと、ほっと安堵と感謝の気持ちでした。車窓から見える田や畑、山の景色にも癒されました。

さて、今年度もコロナ禍のなかでオンラインによるZoomセミナーや学習が続いています。
5月は東京EMDR開業者協会主催のセミナー「トラウマから死生学まで」(講師は岡野憲一郎先生)、一昨日は東海EMDR勉強会主催の「三分岐プロトコルによる治療計画の基礎」(講師は菊池安希子先生)に参加しました。岡野先生からは特に解離性障害について、菊池先生からは複雑性トラウマのEMDR臨床のエッセンスを学ばせて頂きました。今までなら現地に足を運ぶのは難しくて参加できなかったセミナーも、オンライン開催だからこそ気軽に参加させていただけて、有り難かったです。

先週は、非常勤講師を務める家族看護の授業がありましたが、今年もオンライン開催です。「複雑な問題を抱えた家族の心理」のテーマでは、毎年「DVと虐待」を取り上げています。DVや虐待が起こる家族への理解と支援について理解を深めていただければ・・と願ってのことですが、毎年、皆さんが熱心に学んでくださり嬉しく思います。

今度の日曜日は、研究所主催のオンライン読書会。「DVに晒された子ども」がテーマですが、まだ追加募集していますので、関心がある方はぜひ!お声かけくださいませ。(詳しくはこちら→★

緊急事態宣言中、感染者数は減少傾向にあるものの変異種増加の心配もありますが、適度に息抜きしながら、ストレスと上手くつきあっていければと思います。皆さまもどうぞお身体を大事にお過ごしくださいませ。

トルコキキョウ、久しぶりです。

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2021.05.09 グループ/講座
『DVにさられさる子どもたち』読書会がスタートしました

日中は汗ばむ陽気。家にいるのはもったいないようなお天気でしたが、今日は朝から一日Zoom。
午前はSEコンサルテーショングループに参加、午後は女性のトラウマ読書会。『DVにさらされる子どもたち~加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』を読む、第一回目を開催しました。

本書は、DVの専門家、セラピスト、児童保護機関や裁判所の担当者、被害者である母親や子どもの生活に、個人的あるいは専門的な立場からかかわるすべての人に向けてかかれたもので、「ここに示した考察や実践的提言が、DV被害女性や子どもへの効果的な介入の実現に役立つことが私たちの願いである」と著者は言います。

本日は「序」「はじめに」「第一章ドメスティック・バイオレンス加害者とは」「第二章『力』を行使する親」を読みあいましたが、改めて、本書は子どものトラウマ・インフォームドケアの実践のための必読図書!、子どもと関わる支援者にはぜひ読んでほしい、という思いを強くしました。
著者ランディ・バンクロフトとジェイ・G・シルバーマン共に加害者カウンセリング専門家であり、加害者プログラムのディレクターであることから、広範囲の文献研究と長年の臨床経験を元にした考察と提言は説得力があります。

でも、本書は既に絶版になっていると、本日参加者の方から聞いてびっくり。広く読まれなくなるのはとても残念ですが、バンクロフト氏の本は他にも翻訳されているので、関心のある方にはご一読をお勧めします。(→★

なお、『The Batterer as Parent』の日本語版の本書は、ジャパン・ソサエティが主催した「日米女性リーダー交流プロジェクト」の成果として、アジア女性交流・研究フォーラム、せんだい男女共同参画財団、福島県青少年育成・男女共生推進機構、横浜市女性協会の4つの組織が共同で企画し、2004年に発行されています。ちょうどこの年に、改正・児童虐待防止法では子どもの目の前での配偶者間暴力は子どもへの心理的虐待であるとして明記され、改正・DV防止法では保護命令の範囲が被害者と同居する子どもにも拡げられました。

DV家庭においては児童虐待の観点から子どもの安全を考えることも重要であると、被害母子への支援や連携の必要性が認識されはじめたこの時期に、本書が発行されていることはとても意味深いことだと感じいります。

しかし、日本語版がでた2004年から既に17年たつというものの、DVが子どもに与える影響についての社会的認知はまだ十分ではないと感じます。
私自身も、本書を通してDVの影響について再学習しながら、現在のDV家庭を取り巻く社会的状況についても理解を深め、よりよい支援について考える機会としていきたいと思います。


可愛いアジサイ、ダンスパーティ。ほんと花が踊っているよう♡
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