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所長のブログ~ただ今修行中

2016.08.07 トラウマ
絆の回復~トラウマ読書会から

夏本番。毎日暑い日が続いています。

本日は『心的外傷と回復』、トラウマ読書会がありました。今回の読み合わせは、第三章の「離断」。

トラウマ的出来事は基本的な人間関係の多くに影響を与えること、他者や世界と結びついているという絆の感覚(安全感、安心感、信頼という感覚)を壊し、それによって自己の肯定的価値や世界には意味があるという感覚を壊すこと、こうした感覚の回復のためには「人との絆」の再建が必要なこと、被害者の自立性を尊重するケアから社会的支援(社会が認知すること)の必要性まで、被害者の視点から学びました。

「他者と外傷体験を共有することが〈世界には意味がある〉という感覚を再建すめための前提条件である」という言葉が胸にストレートに入ってきました。この言葉をしっかりと心に留めていきたいと思います。

この読書会も、さまざまな立場の支援者の方と「共有」することに〈意味〉があると感じています。
ご参加、ありがとうございました。

        涼を求めて川辺へ。頑張ってますね。
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2016.05.03 トラウマ
PTSDに対するPE療法を学ぶ

4月29日~5月2日まで東京の武蔵野大学で開催された、PTSDに対する持続エクスポージャー療法(Proionged Exposure Therapy:略してPE療法)の4日間集中トレーニングに参加しました。

今回で13回目というPEトレーニング。PTSDに効果があると実証されているPE療法をぜひ学んでみたいと思っていたので、今年の連休は参加できると楽しみにしていました。

トレーニングではPTSDの診断からPTSD反応の講義に始まり、PE療法の背景にある理論からPE療法プログラムの実際、実習まで、講師の小西聖子先生と院生さんの丁寧なサポートのもと、安全感をもちながらしっかりと学ばせて頂くことができました。

特に、トラウマ記憶の「回避」について学びを深めることができたこと、慢性化したPTSD、複雑性PTSDにPEが効果があることがわかったこと、そしてその具体的方法を学べたことは有意義でした。今回は、スタッフの西川も一緒に学ぶことができたので、スタッフ皆で研鑽を積みながら、カウンセリングに来談くださった方のお役にたてるよう、取り組んでいきたいと思います。
  ※PEについて詳しいことはこちらをご参照ください→PE-Japan
              
            朝、会場に向かう途中。はじめての有明、新鮮な光景でした。2016.5.1.jpg             一日を終えた後。ドラマの一場面のようでした。
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2016.01.10 グループ/講座
心的外傷と回復~ストーリーを再構成する

年明けから温かい日が続いていましたが、週末より冷え込みが厳しくなってきました。

今日は今年最初の『心的外傷と回復』読書会。今回は第九章「想起と服喪追悼」の読み合わせで、回復の第二段階について、外傷のストーリーを再構成して語り、生活史全体に統合するという作業について学びました。トラウマ体験と対決するという作業に進むかどうかの選択は、被害経験者にゆだねられますが、大変な作業であるからこそ慎重に準備され構造化されていることが大事なこと、その手順や意味、エッセンスについて再認識しました。

10数年前からトラウマ臨床に携わるようになり、私自身のなかにはずっと「問い」がありました。トラウマは「語れない記憶」であるので、その語れないトラウマ記憶をどう扱い(安全に)、それをどう語り人生に統合していけるのか・・?と。この十数年、その答えを求めるように試行錯誤をしてきましたが、そのなかでEMDRソマティック・エクスペリエンス(SE)など身体志向のアプローチに出会ってきました。

原書の初版が刊行されたのが1992年、後に刊行された同書の『増補版』では、その後の脳科学の進歩によって生物学的側面からの理解が進んできたことが、しっかりと加筆されています。解離の解明についても。

生物学的理解、つまり「心と身体はつながってる」と身体的側面からのアプローチは臨床において重要と思っていますが、ハーマンさんが言うように、心理的、社会的側面からの理解も同様に重要である思います。人間の「全体性」に目を向けて、心と身体のつながり、人と人とのつながり、世界とのつながり・・を大切にできるよう努めていきたいと思います。

1人で読むのではなく、皆で読みあう場があって、温かいつながりのなかで、いろいろと考えたり、見直したり、気づいたり・・できることに感謝です。
感謝の気持ちと共に、気を引き締めて、また次の読書会まで一カ月、頑張っていこう~と思います。


※「回復の三段階」についてはこちらをご参照ください⇒「トラウマからの回復とレジリエンスモデル~回復の3段階と8次元

               カンガルー・アイビーってすごい。大きく広がってきたので白い花台に。
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2015.12.18 講師活動
DVトラウマと回復、講師を務めさせていただきました

昨日は鳥取県へ。県主催のDV被害者支援職員研修にて「DV被害者と子どものトラウマと回復~支援者に求められもの」をテーマに講師を務めさせて頂きました。

「子どもの暴力にどう対応したらいいか」など現場のニーズから、DVの子どもへの影響を中心に午前の講義と午後の演習で進めました。子どもへの影響を中心にお話させて頂いたのは初めてでしたが、DVの家族への影響、トラウマの影響から、回復として大切な「愛着」「自己調整」「絆を強めるコミュニケーション」について、お伝えしました。そして「安全で安心できるコミュニティをつくること」について。

後半では、CARE心理教育的介入プログラムから簡単なロールプレイも体験いただきましたが、アンケートでは、実践的でわかりやすかったというお声をたくさんいただき、心から嬉しく思いました。 皆さまの「うんうん」という頷きに私もエンパワーされました。これも参加者の皆さま方が懸命に母子支援に力を尽くされているからこそと、頭が下がる思いでした。そして、お世話になりましたご担当者様にも心から感謝の気持ちでした。

鳥取県でDV研修をつとめさせて頂いたのは二回目。前回の担当部署は違いましたが、確か数年前・・と、帰宅後に過去のレジメを探しみたところ、なんと平成20年。え~もう7年も経つんだ・・と驚きでした。
月日がたつのは早いです。7年ぶりの倉吉駅は改築されて立派になり駅前のお店も増えていましたが、空気が澄んで、空が広く見渡せるのは、7年前と同じ。またご縁がありましたことに感謝でした。

昨日で今年の講師活動も無事に終わりました。
仕事納めまではあと10日。引き続き、日々の臨床活動に取り組みます。

                 いいお天気で空気が澄んだ朝でした。
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2015.12.13 グループ/講座
トラウマと回復~「安全の確立」について学ぶ


第二日曜日は月一回開催している『心的外傷と回復』読書会。今日は「第8章安全」についての読みあいでした。

この章では、回復の第一段階の中心課題である「安全の確立」について、「問題に名を与える」「自己統御の回復」「安全な環境を創る」「第一段階を完了するには」を柱に、詳しく学びました。

毎回この読書会では、私自身がトラウマ臨床について再確認し、さまざまな気づきをもたらしてくれていますが、今回は特に、グループで分かち合いを通して、他職種との連携や協働についても考える機会となりました。

「何びとといえども単独で外傷と対決することはできない」とハーマンさんも言っていますが(P238)、DVや虐待、性暴力などトラウマ被害者への支援の際に、他職種との連携、協働が大事と言われます。そのためには、連携・協働の前提として、トラウマ被害者への共通理解がとても大切であることを、再認識しました。

というのも、回復の第一段階の中心課題である「安全の確立」には、自己コントロールの回復から安全な環境作りまで含みます。外傷は生物学的、心理的、対人的、社会的な面までおかすことから、適切な治療はそれぞれの側面に対して行われる必要があり、総合的でなければならないと言います。

ということは複雑なトラウマであるほど、同時にたくさんの支援も必要だと言えます。医療、福祉、司法、心理、教育・・などの側面での支援から、友達、家族、親戚など身近な人からの支援まで・・連携していく必要があるでしょう。連携においては、「トラウマ被害者への共通理解・共通認識」のために、他の人々に理解を促すための働きかけも重要となってくるでしょう。

「トラウマ・インフォームド」という言葉があります。数年前、ボストンのトラウマセンターに、虐待を受けた子どものトラウマ研修で訪れた際に学んだ言葉ですが、「トラウマについて知識を持ち、その対応法について詳しく知っている」と定義されていました。センターでは、虐待を受けた子どもの治療的支援として「安全を守る環境づくり」のため、子どもと関わる多職種や家族や親戚含め、トラウマ・インフォームドを目指して、組織的に取り組まれていました。

今回、この読書会が「トラウマ・インフォームド」の場として、活かされていけばいいなという希望を思い描きました。職種や立場の違いを越えて互いの仕事・役割について学びあい理解し、トラウマについて共通認識にたてるよう、連携・協働の基盤を作っていく・・・、その一つになればいいなと思います。

来週、DVトラウマについてお話をさせていただく講師の仕事が入っています。トラウマ・インフォームドの機会となるよう、自分が学んできたことを少しでも還元できばいいな・・と、気を引き締めて臨みたいと思います。


[関連記事]
2014年4月カウンセリング「トラウマからの回復とレジリエンス・モデル~回復の3段階と8次元
2012年7月FLCエッセイ「ボストン・トラウマセンター研修に参加して
1999年11月年報「生態学的視点から見たトラウマと回復

2015.11.08 グループ/講座
トラウマと回復~援助関係について学ぶ

今日は雨が降ったりやんだりの一日でした。雨の日は憂鬱な気分になりがちですが、研究所に到着するとお花や植物に迎え入れられ、気分も爽やかに。

本日午後の『心的外傷と回復』読書会は、「第七章 治癒的関係とは」についての読みあい。この章は、次の第八章「安全」と共に最も読み返すことが多かった章ですが、治療・援助関係についての原則が書かれています。特に冒頭の言葉は力強いです。

心的外傷の中核は何であろうか。それは無力化と他者からの離断である。だからこそ、回復の基礎はその後を生きる者に有力化(エンパワメント)を行い、他者との新しい結びつきを創ることにある。
回復は人間関係の網の目を背景にしてはじめて起こり、孤立状態では起こらない。生存者は心的外傷体験によって損なわれた歪められた心的能力を多の人々との関係が新しく甦るなかで創りなおすものである。・・(略)・・回復の第一原則はその後を生きる者の中に力を与えることにある。その後を生きる者自身が自分の回復の主体であり判定者でなければならない。    (P205より引用)

エンパワメントと自己コントロール権の回復という原則に始まり、治療者、援助者としての責任、態度、倫理、限界・・など、身が引き締まる思いで再確認しました。

トラウマは伝染性があるため、援助者もトラウマに晒されます。援助者・被援助者の関係に、加害者の影が第三者として入ってくるからですが、被害者と援助者と双方の安全を守るために、そして良質の
援助のために援助者へのサポート・システムが重要であることも、再確認しました。

私自身、今日もご参加くださった皆様方の真摯に学ぶ姿勢、謙虚な姿勢に触れさせて頂き、コミュニテイへの信頼と安心感、つながりを感じて、温かくも力強い気持ちになりました。これが人間のコミュニティ感覚というものなのかな・・と、とても有り難い気持ちでした。

毎年11月12日~25日は「女性に対する暴力をなくす運動」期間です。大阪府男女共同参画局よりチラシが届きましたが、平成13年から内閣府で取り組まれています。私たちもコミュニテイの一員として、研究所としてできることを・・、模索していきたいと思います。


             この期間、パープルリボンを飾ることにしました♪
IMG_0641.JPG             ※パープルリボンは、女性への暴力根絶のシンボルです。
               
          園芸店で目にとまったパープルのビオラ。一つ100円で、かわいいです。
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2015.06.15 トラウマ
発達トラウマとアタッチメント

 今日からまた新しい週が始まりました。
 この13・14日の土・日曜日は、東京で開催された「発達トラウマ」と「愛着障害」についてのワークショップにいってきました。講師は、SEタッチセラピストのステファン・テレール心理学博士で、発達トラウマとアタッチメントの講義、デモンストレーションを通してのSEタッチの実技や解説など、とても充実した二日間でした。
 
 テレール氏には、SEタッチスキル・トレーニングに参加した際にお世話になりましたが、今回初めてお話を聞かせて頂き、大変感銘を受けました。特に、発達トラウマをご専門とされていますが、ご自身は独身でありながら二人の子どもを養子として育てておられます。「夜は仕事はしません」など、家族(子ども)との生活を大事にした働き方をされているエピソードに、子どもとのアタッチメント(愛着)の絆を本当に大切にされていることが伝わってきました。温かい雰囲気のなか、貴重な学びをさせて頂き、心から感謝の気持ちでした。

 私も、SEタッチスキルを学んだ仲間とともにアシスタントを務めさせていただきましたが、さらにSEタッチの学びを深めていければと思いました。大人の方にはSEタッチを提供させて頂いていますが、今後、子どもさんや、親子さんにも役立てていけるように・・またテレール先生から学べる機会が実現すればなと思います。

 テレール先生の言葉で一番心に残っているのは、「一番大事なのはアチューンメント」。同調し、波長を合わせること。数年前、ボストン・トラウマセンターでの研修においても、アタッチメント(愛着)の回復のために「アチューンメント」はキーワードであったことを思い出しました。SEタッチに限らず、アチューンメントを大切に意識して、臨床に取り組んでいきたいと改めて思いました。

  さて、SEタッチではありませんが、大人と子どもとの愛着の絆を強めることを目的に、子どもと波長を合わせるコミュニケーションのポイントを、CAREプログラムという形で伝えていければと取り組んでいます。関心がある方は、こちらも合せてご覧いただければ嬉しいです! 
  ⇒保護者向けCAREプログラムはこちら、援助者向けCAREプログラムはこちら

                  お食事会場から。東京駅って広い!
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2015.05.29 トラウマ
「性暴力:その後を生きる」に参加して

 今日は一日の仕事を終えた後、講座「性暴力:その後を生きる~SAFER101」に参加しました。講師は、NPO法人レジリエンスの中島幸子さん。「SAFER」とは、性暴力をテーマとしたの支援者向けの研修プログラムで、私が今日参加したのはその基礎講座です。NPO法人レジリエンスさんが出版されたDV関係の本は翻訳本も含めて何冊かもっているので、勝手に?親近感を感じながら、初めてお話を聞かせて頂きました。

 中島さんのお話はとてもわかりやすく、性暴力とその影響について大切なことを再確認できました。お話のスタンスは、☆(ほし)さん(レジリエンスでは、何らかの傷つきを抱えているサバイバーの方を、自ら輝ける力をもっている人というメッセ―ジと敬意を込めて、☆さんと呼んでおられます)にしっかりと寄り添い、被害者を理解して傍に寄り添う支援者が増えることで、性暴力をない安全な環境・社会になるのではないかと願う、熱い思いが伝わってきました。心から敬意と尊敬の気持ちをもちました。
 そして、私自身もとてもエンパワーされました。またこれに続く講座もぜひまた受けれるといいなと思いました。学びながら、支援者同士とのつながりができることを願って。

 講座が開催された会場は、大阪のドーンセンター。久しぶりのドーンセンターは静かなたたずまいでしたが、熱い・・気持ちで帰路につきました。次にまたお話を伺える日を楽しみにしたいと思います。
 明日土曜日は、一日面接の日です。落ち着いて一日を過ごせたらと思います。


               本とパープルリボンのネイルシール、ピンバッチ。
                   デザインと色が素敵です!
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2015.05.24 トラウマ
EMDRを用いたトラウマ心理療法を学ぶ

 5月22日(金)~24日(日)まで、東京で開催された日本EMDR学会第10会学術大会と継続研修に参加してきました。丸三日間、ずっと椅子に座って話を聞いていましたが、こんなにず~っと座って人の話を聞くことは・・普段あまりないこと。とても充実し、またとても有意義な学びができ贅沢な三日間でした(⇒EMDR学会についてはこちら)。
 
 継続研修の講師の先生は、Andrew.M.Leeds博士で、EMDRの基礎から応用まで、研究に裏付けされた最新の知識と方法をとても丁寧に教えて下さいました。複雑性PTSDをはじめ、解離、愛着の問題(関係性の問題)、嗜癖行動や強迫行動への対応など、トラウマ臨床に役立つ話を聞けて、とてもありがたく、また希望を感じました。

 Leeds先生には、ちょうど10年前、EMDRのトレーニングでご指導いただきました。そういえば同じこの場所で。あれから10年、月日のたつのは早いです。長年に渡り、研究と臨床に携わって来られた先生の講義からは、洗練された内容と共に実直さと誠実さが伝わり、尊敬の念を抱きました。
 頭の整理が必要ですが、少しずつでも学んだことを役立てていければと思います。

                研修会場の早稲田大学キャンパス、
             緑が多く小鳥のさえずりも聞こえてきて素敵なところでした。
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2015.05.18 トラウマ
『心的外傷と回復』を読む

 昨日は『心的外傷と回復』読書会の第一回目でした。虐待、性暴力、DVなど、被害者の回復支援に携わっている支援者の方々と、共に学び、支援について考えることができればと企画し、今月よりスタートしました。職種を越えて、さまざまな立場で支援に関わっている方々がご参加くださり、心から嬉しく感じました。

 本書は、心的外傷(トラウマ)と回復についてのバイブルとも言える本。著者は、ハーバード大学医学部精神科臨床准教授であり、ケンブリッジ病院の精神科医のジュディス・ハーマン氏で、本書によって、アメリカ精神医学会およびアメリカ精神医学と法学会からM・S・ガットマーカー賞を受章されています。米国では、心的外傷を云々する者がまず読むように勧められる本であり、専門家だけでなく、特に心的外傷を負った帰還兵や女性の性暴力被害者に読まれていると言います。

 そして本書は、1996年、阪神淡路大震災後、当時まだトラウマ、PTSDという概念が日本では一般化されていなかった頃、精神科医中井久夫氏によって翻訳出版されました。出版された当初、本書を読み、目から鱗のような・・感銘を受けましたが、その後、必要な箇所を部分的に読むことはあっても(臨床と関わるところ)、全体を通してじっくりと読むことはありませんでした。今回、この機会を得て、私自身も再学習したいという気持ちがありました。

 今月の読書会第一回目は、第一章「歴史は心的外傷を繰り返し忘れてきた」のところ。再読し、1980年以後、ベトナム戦争の帰還兵の努力によって公認されるようになった「外傷後ストレス障害(PTSD)」と、性暴力、性的虐待、DV被害者に見られる心理学的症候群とは同じ一つものであること、そしてそのことが明らかとなった今も、どちらも(公的世界における戦争も、家庭生活という私的世界での暴力も)解決されてはいないことを、再認識しました。

 読書会では、参加者の皆さま、スタッフと共に、歴史を学び、そしてその知識や思いを分かち合いましたが、それは深い感動の体験でした。グループで仲間と共に分かち合うことは、一人で本を読むのとはまた違う発見や拡がりがあります。その感動はうまく言葉に表されませんが、例えるならば、夜が明けていく(曙)ときに感じる感覚であり、世界が開かれていく感じというか・・、未来への希望を感じました。一人一人への尊敬の念と共に、シスターフッド(女同士の友情)という言葉を思い出し、身体の芯から温かく、力強さを感じました。

 本書を初めて読んだときもそうですが、「序」にある言葉、「本書はつながりを取り戻すことにかんする本である。すなわち公的世界と私的世界と、個人と社会と、男性と女性とのつながりを取り戻す本である。本書は共同世界にかんする本である。・・」は、今回もじーんと胸に響きました。性的虐待、性暴力、DV被害者支援に取り組むということは、社会的な「つながりの回復」に取り組むことでもあると、その意味を再認識しました。

 読書会で、仲間とともに実感しえた「社会とのつながり」に基礎におきながら、日々、自分に与えられた仕事、臨床に向き合っていこうと力づけられました。
 また次回を楽しみにしたいと思います。

  当日の朝、花屋の前をとおるときに、鮮やかな紫陽花が目に留まりました。秋まで花が咲くそうです。
IMG_0331 (2).jpg  ※店主のおじさんに、「家に飾るの?」と聞かれ「会社です」と答えると、「女性が多いんか? カーネーション、一本持っていき」とのこと。カーネーション一本ではなく、一鉢くださいました! 天満のおじさんの応援メッセージに、感謝。

 

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