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FLCスタッフエッセイ

2018.11.15 五感
古くて新しい

                                     北村由紀恵

秋は木々の彩りも鮮やかになり、吹く風も心地よく、自然の中を歩くにはとてもよい季節です。

私は仕事の合間に奈良や京都に出かけ、自然の中にある神社やお寺を巡るのが好きです。
日常生活の慌ただしさから解放されてホッと一息つくのが、自分にとってとても大切な時間となっています。

古くからある神社やお寺では、自分が21世紀の時代に住んでいることも忘れてしまうような何とも言えない時間の流れを感じます。


10月には奈良の興福寺に行きました。

随分前から再建のために工事されてきた中金堂の、落慶法要が大々的に営まれたのですが、ご縁があり参列させていただきました。

秋晴れの青空のもとで、真新しい美しい中金堂がお目見えしました。五色幕が風に揺られ、僧侶の読経に合わせて散華がきらきらと空を舞い、うっとりするようなひとときでした。

中金堂は本来興福寺の中心となる建物ですが、西暦710年に藤原不比等によって興福寺が建立されて以来、なんと7度も消失したそうです。

そのたびに再建はされて来たのですが、今回は江戸時代の消失の後、300年ぶりの再建となるそうです。創建当時の天平建築の形をそのままに再建されています。

平成も最後の年になりますが、古式の建築の方法が継がれていることが素晴らしいと思いました。しかし今回使った木材などは海外から輸入したものだそうです。創建当時はきっと国内のものだったでしょう。

新しいけど古い、古いけど新しい。古来より続く日本の文化の流れを感じました。


夜には記念のコンサートが中金堂前で行われ、ヴァイオリニストの古澤巌さんが演奏されました。

こちらもまた、ヴァイオリンというヨーロッパの歴史ある楽器で、クラシック音楽を現代風にアレンジした素晴らしい演奏をされ、その迫力にみな引き込まれました。


いろんな時代や国が交差する中に身を置いている自分を感じ、こんな日を生きていることになんだか感謝の念が生まれてきて、お堂の中の仏像にそっと手を合わせました。

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