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2024.01.20 仕事
復職についての豆知識① 休職から復職にかけての流れ

西村 麻里

 ブログでも予告していました、復職についての豆知識の連載、1回目となります今回は、まずは休職してから復職するまでにどのような経過があるのか、を概観していきたいと思います。

 厚生労働省が出している「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」では、職場復帰支援の流れを5つのステップに分けています。そのまま載せると難しい言葉が並んでわかりにくいので、わかりやすく書かせていただくと、下記のようになります(元データが知りたい方は厚生労働省のHPに載っていますのでご参照下さい)。

 【第1ステップ】休職を開始し、療養・治療を行う段階

 【第2ステップ】本人からの復職の意志表示や主治医による復帰可能の判断などが示される段階

 【第3ステップ】職場側が、復帰が可能か検討したり、復帰支援プランを作成する段階

 【第4ステップ】最終的な職場復帰の決定の段階

 【第5ステップ】職場復帰後のフォローアップの段階

これを見ていただいただけでも、復職しよう、と考えてから、実際に復職するまでには、結構なステップがあることが想像できます。ただ、こちらの手引きはどちらかというと職場側の視点に立って書かれているもので、特に第3~4ステップなどは休職者側から能動的に何かをする段階ではありません。これを、より休職者、あるいは復職に向けての休職者側の準備、という視点で書き直すと、このようになります。

 【第1ステップ】(前半)治療に専念し病状の回復を最優先する時期

         (後半)一定の回復が見られ、療養中心から復職のためのリハビリに移行していく時期

 【第2ステップ】リハビリをステップアップさせる&休職原因に向き合い再発防止策を検討する時期

 【第3ステップ】復帰後のレベルを想定したリハビリを行う&職場と具体的な環境調整を行う時期

 【第4ステップ】職場への事前挨拶や同僚などからの情報収集等、復職直前の準備を行う時期

 【第5ステップ】復職後、調子を崩さないよう注意しながら少しずつ復職を確実にしていく時期

 こうして見ていくと、復職に向けて自分が今何をしたらいいのか、を考えるには、自分が今どのステップにいるのかを知ることが重要であることがわかります。一つの指標は主治医の判断ですが、おそらく一番判断に迷うのは、第1ステップにおいて、療養中心からリハビリへと移行するタイミングかと思います。焦って早くにリハビリを始めてしまうと、効果が得られないどころか病状の悪化を招きますし、逆にいつまでも休養ばかりしているといざ復職となった時に心身がついていかないという事態になります。

 実際に復職支援を行う際には詳細なチェックシートを利用したりするのですが、ざっくりとした目安としては、夜にまとまった睡眠がとれて午前中から活動することができること、仕事や職場に関わるものに接しても大きく動揺したりしんどくなったりしないこと、の2点をクリアしていればリハビリを始めてもいい時期に来ていると考えられます。

 繰り返しになりますが、焦って十分な療養を行わなかったり、過度なリハビリを行うことは、かえって回復を遅らせます。そしていったん回復してきていた調子が落ちてしまうと、自信の喪失ややる気の低下にもつながりかねません。自分が今どの時点にいるかを常に意識して、できればやや余裕を持ったペースで進めていけるのが理想的ですね。

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