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FLCスタッフエッセイ

2016.07.23 カウンセリング
もう一人の自分の声に支えられて 

                                      西川 昌枝


「カウンセラーをしています」と話すと「人の相談にのれる位なら自分のことも冷静で悩んだりしないのでは?」と何でも解決する能力があるような印象を持たれる事が、た・ま・に・あります。


私は苦笑しながら「いえいえ、、」と答えるのですが、それは謙遜でなくて、実際に自分はどちらかというと悩みの多いほうで、壁にぶつかる度に乗り越えるのに努力が要ったと感じているからなのです。


若い頃は悩みの出口を見つけられず、悪天候が過ぎるのを待つかのごとく、心の嵐が去るのを待っていた姿を思い出します。考えすぎて落ち込んだり、気持ちが苦しくなったとき、自分なりにバランスをとる方法を探し続けてきました。


そんな私に、いつの頃からかもう分かりませんが、しんどいとき、自然にもう一人の自分からのメッセージが頭に浮かぶようになりました。


悩んでいる自分とは違う考えが届き、気付くのです。「できない」「私はだめだ」と考えていれば間髪入れず、「そんなことないよ、できるよ」「どうなりたいの?」と来ます。


できない言い訳の言葉が思い浮かぶと、今度は「自分のペースでやればいいんだよ」「小さい勇気を出そう」「自分の善いところを出そう」「やり直せばいいんだよ」「やってみれば楽しめるよ」「自分で選べるよ」・・・、そして「自分を信じて、大丈夫だよ」「できるよ」「うまくいくよ」「安心して」「大丈夫、怖くないよ」と・・・。


私の頭の中には、こんな風にさりげなく、もう一人の自分から慰めや励ましのメッセージが送られて来ます。その声は、必要なときやってきて私を助けてくれているようです。


受け取るメッセージは、例えるなら「なりたい自分」から優しさが送られてきた感覚です。


それは、今までに与えてもらった助言や解決したくて読んだ本から私の心に残った言葉が、いつしか自分のものとなり、もう一人の声となって、自分で自分を支えるメッセージとして送られてくるようになったのかもしれません。


私自身は、メッセージのおかげで立ち止まれたり、気持ちが穏やかになったり、冷静さを取り戻せている気がします。もう一人の自分の声に支えられながら、日々を過ごしています。

もし、ちょっとした失敗をしてしまって嫌な気持ちになったとき、自分に肯定的な優しいメッセージを思い浮かべてみませんか? 
試してみてもらえたらいいなと思います。

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