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FLCスタッフエッセイ

2017.07.16 自然
「緑の親指」にあこがれて  − 植物を育てる極意

                                   金山 あき子

 

 私は、植物が好きです。特に、植物の生き生きとした、葉っぱの緑色を見ると、こちらまで元気になるような気がしてきます。

 

ある時、外で緑を見ているだけでは物足りなくなり、猫の額ほどのうちのベランダにも緑をあふれさせたいな・・と思いたち、これまでにも、幾つか鉢植えを買ったり、プランターにお花やハーブ類などの種をたくさん蒔いたりしてきました。

 

英語では、植物を育てる事が上手かったり、園芸の才能がある人のことを「green thumb(緑の親指)を持っている」という言い回しがあるのですが、これが残念なことに、私の親指には、全く緑色がないみたいなのです。

 

実は、種を蒔いては、ある時は日照りで枯らし、ある時は、水のやりすぎで枯らし・・という事を続けてきました。この間、やっとこさ芽が出たパクチーは、「さあそろそろタイ料理ができるな!」と思った矢先、アブラムシに全て先に食べられてしまいました・・。パクチーが、アブラムシに完食されるのも、もう二年目です。悔しかったです。オーガニックで育てるのは、何と大変なことだろうと実感中。

 

今、かろうじてベランダに残っているのは、娘が育てたアサガオと、バジル、しそ、そして、もはや枯れかけのローズマリー。せめて、残ってくれている子たちは、大事に大事に育てようと、この暑い夏を一緒に超える決心しました。

 

そんな中、ふと、自分が小さいころ、近所に住んでいた、とあるおばあちゃんのことを思い出しました。そのおばあちゃんの庭には、ハーブやお花がいつもいい感じに、綺麗に育っているのです。タケノコご飯に入れる木の芽が欲しい時など、「少しわけてください〜」とよくお願いに行っていました。

ある時、おばあちゃんに、「どうやっていつも植物を、うまく育てるの?」と聞いたら、

「いつも、話かけてるからかなあ。『今日も、べっぴんさんね。』とか、『きれいに咲いてくれてありがとう。』とか。そしたら、植物って、本当に声を聞いてくれていて、応えてくれるわよ」。

と、嬉しそうにお話してくれたこと、懐かしく思い出しました。

 

そういえば、近ごろ、植物とゆっくりお話することを、忘れていたなあ。植物だって、生きているいのち。最近はといえば、「そろそろ食べ頃かな〜」という目でばかり見て、自分はずいぶん、よこしまな気持ちが多かった・・と少し反省。

「緑の親指」を持っていたおばあちゃんの知恵を思い出して、反省するとともに、温かい気持ちになりました。そしてもう一度、自分の心に、この知恵を、大切に残したいと思います。緑の親指になる日も近いと信じながら。

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