- 2016.12.16 こころとからだ
- 牧場でのひととき ーリソースを育む
金山 あき子
先日、近くにある牧場に行ってきました。そこは、街中にある、とても小さな牧場なのですが、なぜかいつ行っても、心がほっこり、元気になるので、私の大好きな場所なのです。
牧場の中は、一面、ふさふさと、やわらかいみどりや枯れ草でいっぱいです。どこからか、たき木を焼くにおいがしてきます。うきうきとした様子で、やぎや羊に草をあげている子どもたちの姿。大きな巣で、のんびりしている蜘蛛たちがいます。家で見つけると焦る蜘蛛も、ここではなんだか、仲間に思えます。じーんじーんと虫のなく声・・。
そんな景色の中で、あたたかいお茶を飲んでいると、体ぜんたいが緩んで、自然とお腹の底からゆったりと呼吸をするようになっていました。行く前には何だかもやもやしていた心も体も、帰る頃には大きな伸びをした後みたいにゆるみ、よし、また明日からがんばろう、と目の前がすっきりとしたような、うれしい気もちになって帰途につきます。
「リソース」という言葉を、聞いたことがありますか?リソースとは、「自分の心や体が喜ぶ、ものや、こと」のことをいいます。 あるものをリソースと感じるのは、その人それぞれの感性や個性によって違います。この牧場は、まさに私にとってのリソースの一つだなあと思いました。リソースは、人生を楽しく、豊かにしてくれます。自分にとってのリソースが、見つかってゆくほどに、過去からの、そして未来のストレスにも、より良く、安全に対処ができると思います。ではここで簡単な、リソースを育むエクササイズをご紹介します。
<リソースを育むエクササイズ>
⭐︎自分にとってのリソースを、一度紙に書き出してみましょう。自分がほっとする場所や自然、もの、人、支えになる関係性、動物、活動、気もち、信じるもの(スピリチュアルな領域)、芸術など・・。 もし、すぐにぱっと思いつかなくても、心配いりません。私たちの心と身体には、たくさんのリソースの種が眠っています。何に心がひかれたか、何にほっとしたのか、体と心がよろぶのか・・。毎日の生活の中で、小さなアンテナを立てながら、ちょっとずつ、自分にとってのリソースを新しく発見してゆくのも、素敵だと思います。できてきた紙に色を塗ったり、お気に入りの写真を貼ったりして、リソースのボードを作り、机に置くこともできます。小さいメモにして手帳に入れ、疲れた時にそっと見るのもいいです。
⭐︎近所を散歩してみて、リソースだなあ、と思うもの(景色、お花・・etc) に出会ったら、その対象を五感(色、音、香り、味、触りごごち)で感じつつ、ゆったり、ゆっくりと呼吸してみましょう。五感で感じながら、呼吸することにより、体と心のより深いところに良い感覚がとどきます。いっそう、そのリソース体験は、あなたの宝ものになってゆくと思います。