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所長のブログ~ただ今修行中

2021.05.09 グループ/講座
『DVにさられさる子どもたち』読書会がスタートしました

日中は汗ばむ陽気。家にいるのはもったいないようなお天気でしたが、今日は朝から一日Zoom。
午前はSEコンサルテーショングループに参加、午後は女性のトラウマ読書会。『DVにさらされる子どもたち~加害者としての親が家族機能に及ぼす影響』を読む、第一回目を開催しました。

本書は、DVの専門家、セラピスト、児童保護機関や裁判所の担当者、被害者である母親や子どもの生活に、個人的あるいは専門的な立場からかかわるすべての人に向けてかかれたもので、「ここに示した考察や実践的提言が、DV被害女性や子どもへの効果的な介入の実現に役立つことが私たちの願いである」と著者は言います。

本日は「序」「はじめに」「第一章ドメスティック・バイオレンス加害者とは」「第二章『力』を行使する親」を読みあいましたが、改めて、本書は子どものトラウマ・インフォームドケアの実践のための必読図書!、子どもと関わる支援者にはぜひ読んでほしい、という思いを強くしました。
著者ランディ・バンクロフトとジェイ・G・シルバーマン共に加害者カウンセリング専門家であり、加害者プログラムのディレクターであることから、広範囲の文献研究と長年の臨床経験を元にした考察と提言は説得力があります。

でも、本書は既に絶版になっていると、本日参加者の方から聞いてびっくり。広く読まれなくなるのはとても残念ですが、バンクロフト氏の本は他にも翻訳されているので、関心のある方にはご一読をお勧めします。(→★

なお、『The Batterer as Parent』の日本語版の本書は、ジャパン・ソサエティが主催した「日米女性リーダー交流プロジェクト」の成果として、アジア女性交流・研究フォーラム、せんだい男女共同参画財団、福島県青少年育成・男女共生推進機構、横浜市女性協会の4つの組織が共同で企画し、2004年に発行されています。ちょうどこの年に、改正・児童虐待防止法では子どもの目の前での配偶者間暴力は子どもへの心理的虐待であるとして明記され、改正・DV防止法では保護命令の範囲が被害者と同居する子どもにも拡げられました。

DV家庭においては児童虐待の観点から子どもの安全を考えることも重要であると、被害母子への支援や連携の必要性が認識されはじめたこの時期に、本書が発行されていることはとても意味深いことだと感じいります。

しかし、日本語版がでた2004年から既に17年たつというものの、DVが子どもに与える影響についての社会的認知はまだ十分ではないと感じます。
私自身も、本書を通してDVの影響について再学習しながら、現在のDV家庭を取り巻く社会的状況についても理解を深め、よりよい支援について考える機会としていきたいと思います。


可愛いアジサイ、ダンスパーティ。ほんと花が踊っているよう♡
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