- 2015.08.02 グループ/講座
- 『心的外傷と回復』を読む~暑い、熱い夏の一日
今日も大阪は猛暑日。暑さは厳しかったですが、午前のセルフケアグループから、午後は『心的外傷と回復』の読書会まで、研究所内も「熱い」一日でした。
4月からスタートした読書会は本日四回目。今日は第四章「監禁状態」のところで、長期反復性トラウマについて学びました。長期反復性トラウマとは、長期にわたり繰り返されるトラウマのことで、なぜ繰り返されるのかというと、そこには前提条件として「勝手には逃げられない」状況があるからです。
強制収容所、強制労働、政治的監禁状態から宗教的カルト、売春窟など組織的な性的搾取施設などの加害行為と被害者への影響(=慢性的外傷症候群)について書かれています。家庭内ではDVや虐待があり、そこには外部の目には映らない「逃走を防ぐ目に見えない障壁がある」と言います。
本書では文献や症例から生存者の証言を紹介していますが、なんて人はこんな恐ろしい残虐な行為をできるのか・・と、一人で読んでいるととても胸が苦しくなりました。でも読書会で体験や感じることを共有できる仲間がいるからこそ、何とか向き合えたと思います。
なぜ人はこんな残虐なことができるのか、その問いには、ハンナ・アーレントの言葉が胸にストンと落ちてきました。「暴力は権力が危うくなると現れてくる」「悪は悪人が作りだすのではなく、思考停止の凡人が作る」。加害行為は他人ごとではないと、自分自身の姿勢を正す思いでした。
勇気と希望を感じられた箇所は、権力者からの強制的コントロールから、被害者が少しでも自立性の感覚を保つためには、「積極的抵抗」と「他の人間関係とつながりを保つこと」が大事だというところ。
被害者にとって「孤立」こそがいかに危険で命取りになるか、自分が自分であり続けるためには、人とのつながり・愛着の絆が大切なことを、深く納得しました。
支援者も同じで、「孤立」していては被害者支援はできません。参加者の皆さまに感謝しつつ、今日再学習したことをDV・虐待被害者への支援、エンパワメントの支援に役立てていければ・・と思いました。
さて、読書会の後は定例の会社会議、そしてその後は、「この暑さを乗り切ろう~」とFLC初企画の暑気払いへGO! 天満駅前のバル、おいしかったです。みんな元気にこの夏を乗り切れますように。
~お知らせ~
●次回の『心的外傷と回復』の読書会は、8月30日(日)13:30~15:00です。テーマは第五章の「児童虐待」です。
このグループは、DVや虐待を受けた被害者への支援に携わっている方対象です。
詳しくは、こちら→
関連記事:ブログ『心的外傷と回復』を読む⇒こちら
●講座「DV被害女性を支える」は、8月20日 (木)13:00-15:00です。
このテーマに関心がある方はどなたでも参加いただけます。
→詳しくは、こちら
皆さまのご参加をお待ちしています♪♪
日が暮れてFLCのベランダに出ていたところ、トンボが・・!!
桜の枝の先にとまり微動だにせず。何していたのかな?