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FLCスタッフエッセイ

2016.03.13 自然
蒸留水ことはじめ − 3.11の日に


                                    金山 あき子

 

先日、とあるご縁で、フルーツやお花や野草、ハーブ、木くずなどを蒸留し、そこから植物のエッセンスを抽出し、香りのついた水、芳香蒸留水を作るというワークショップに参加してきました。「水を蒸留する」とは、水を熱し、気化させたものを冷まして液化させ、不純な成分を取り除き、水を精製してゆく作業のことのようです。 まずこの日は、ローズマリーの葉と、ジンジャーを、蒸し器のような、手作りの蒸留キットに入れて、芳香のついた蒸留水を作ることに。 抽出されて出来たのは、なんともすっきり、目が覚めるような、ほんのり甘い香りの蒸留水。これを、スプレーボトルなどに入れて、ルームスプレーにしたり、化粧水などにしたり。薬能のあるとされるハーブで作った蒸留水は、ちょっとした消毒、鎮静など、色々な用途に使えるとのこと。何より身近に咲いている草花で作るのがいいよ、と聞いたので、春になって、山歩きをした際には、桜の花や、ヨモギ、松の葉などで蒸留をしたみたいな・・などと色々な実験のアイデアが浮かんでは、ますます春が待ち遠しい気持ちになりました。

 

今回、芳香蒸留の方法を教えてくれた先生は、仙台から来られていたのですが、この先生が手作りの蒸留器を作ることを思いついたきっかけが、5年前の震災時の体験だったとのお話がありました。この蒸留器は、もともとは、震災時の水不足や停電のある状況でも、なんとか自前で安心に飲む水を作りたいという思いから考えられたとのこと。そして、その思いが、月日が経つ中で、好きだったハーブを作ることと合わさり、より色々な「芳香のついた水を作る」というアイデアとつながっていった、とのお話でした。今回はまさに、3月11日に、このワークショップを受けたことに、色々な意味を感じつつ、震災のあった地に、人々に黙とうをささげました。

5年間という月日は、長いのでしょうか、短いのでしょうか。あれから、色々なことが変わり、でもまだ変わらない状況のままのこと、解決していかなくてはいけないことも依然として存在しています。日々の生活の中で、この時の痛み、そしてまだ、続いている痛みを忘れないように・・。帰り道で、カタコトと音をたてる蒸留器を抱きかかえながら、少しでも、自分のできることを考え行動にしていきたい、と思いました。

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                 蒸留キット。とても軽く、万が一の際にもさっと持ち運べる大きさ。

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