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FLCスタッフエッセイ

2014.04.23 ライフサイクル
初心忘るべからず

西 順子


 2014年4月1日、新しい体制となった女性ライフサイクル研究所の新年度がスタートした。所長として新年度を迎え、心のなかで反芻している言葉が「初心忘るべからず」。女性ライフサイクル研究所の創業から24年、12年目に法人化という節目を迎え、それからまた丸12年がたった。12年というと干支も十二支を一回りして最初に戻ってくるように、今年は初心に立ち返って研鑽を積んでいければ・・と慎ましやかな気持ちでいる。

 研究所開設の「最初の志」と言えば、創業の精神「社会にひらかれた心理臨床」。「こころ」を女性が置かれている社会的・歴史的文脈から理解し、「女性の視点から女性のサポート」を掲げてスタートした。これからも創業の精神を土台に、研究所に来談くださった方、ホームページを訪問くださった方々が、人や社会と「安全に」つながり、「一人ではない」「自分だけじゃない」と安心できる場を維持し、育てていければと思っている。

 ところで「初心忘るべからず」とは600年前に能を大成した世阿弥の言葉。私が「初心」の本当の意味を知ったのは最近だが、世阿弥の言う初心とは「己の技量の未熟さ」のことだと言う(『風姿花伝』より)。 
 
生には三つの初心があり、まず24,5歳の頃の「若いときの初心」二つ目には24,5から壮年期まで、人生の各時期に「その時々における初心」、そして人生の最後の段階で「老後の初心」がある。老後においてもその年齢に似合ったことを習うのは「老後の初心」で、「老後すら初心と心得れば、以前に学んだすべての能を、後心として、これからのために新たに見直し、そこから学ぶのである」と言う。

  世阿弥の言う「老後」は50歳以後のことで、まさに今の私。「老後の初心を忘れない」という言葉は胸に響く。「生涯を通して常に初心を忘れないで過ごせば、高まる一方の芸のまま最後まで後退することはない」とのこと。これから10年先を見通しながら「己の技量の未熟さ」と向き合い、そこから学ぶ姿勢を忘れないで、日々精進していきたいと改めて思う。

 二つの意味の「初心忘れずべからず」を大切に一歩ずつ進んでいきたいと思いますので、新体制となりました女性ライフサイクル研究所に温かいご支援をいただければありがたいです。今後ともよろしくお願い申し上げます。
                                                                                                            (2014年4月)

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