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FLCスタッフエッセイ

2016.12.16 こころとからだ
牧場でのひととき ーリソースを育む

                                    金山 あき子

 

先日、近くにある牧場に行ってきました。そこは、街中にある、とても小さな牧場なのですが、なぜかいつ行っても、心がほっこり、元気になるので、私の大好きな場所なのです。 

 

牧場の中は、一面、ふさふさと、やわらかいみどりや枯れ草でいっぱいです。どこからか、たき木を焼くにおいがしてきます。うきうきとした様子で、やぎや羊に草をあげている子どもたちの姿。大きな巣で、のんびりしている蜘蛛たちがいます。家で見つけると焦る蜘蛛も、ここではなんだか、仲間に思えます。じーんじーんと虫のなく声・・。

そんな景色の中で、あたたかいお茶を飲んでいると、体ぜんたいが緩んで、自然とお腹の底からゆったりと呼吸をするようになっていました。行く前には何だかもやもやしていた心も体も、帰る頃には大きな伸びをした後みたいにゆるみ、よし、また明日からがんばろう、と目の前がすっきりとしたような、うれしい気もちになって帰途につきます。

 

「リソース」という言葉を、聞いたことがありますか?リソースとは、「自分の心や体が喜ぶ、ものや、こと」のことをいいます。 あるものをリソースと感じるのは、その人それぞれの感性や個性によって違います。この牧場は、まさに私にとってのリソースの一つだなあと思いました。リソースは、人生を楽しく、豊かにしてくれます。自分にとってのリソースが、見つかってゆくほどに、過去からの、そして未来のストレスにも、より良く、安全に対処ができると思います。ではここで簡単な、リソースを育むエクササイズをご紹介します。

 

<リソースを育むエクササイズ>

⭐︎自分にとってのリソースを、一度紙に書き出してみましょう。自分がほっとする場所や自然、もの、人、支えになる関係性、動物、活動、気もち、信じるもの(スピリチュアルな領域)、芸術など・・。 もし、すぐにぱっと思いつかなくても、心配いりません。私たちの心と身体には、たくさんのリソースの種が眠っています。何に心がひかれたか、何にほっとしたのか、体と心がよろぶのか・・。毎日の生活の中で、小さなアンテナを立てながら、ちょっとずつ、自分にとってのリソースを新しく発見してゆくのも、素敵だと思います。できてきた紙に色を塗ったり、お気に入りの写真を貼ったりして、リソースのボードを作り、机に置くこともできます。小さいメモにして手帳に入れ、疲れた時にそっと見るのもいいです。

 

⭐︎近所を散歩してみて、リソースだなあ、と思うもの(景色、お花・・etc) に出会ったら、その対象を五感(色、音、香り、味、触りごごち)で感じつつ、ゆったり、ゆっくりと呼吸してみましょう。五感で感じながら、呼吸することにより、体と心のより深いところに良い感覚がとどきます。いっそう、そのリソース体験は、あなたの宝ものになってゆくと思います。

2016.10.29 自然
ハーブでリフレッシュ!

                                                                                             西川 昌枝

自宅のベランダにハーブの鉢やプランターを置いています。「ハーブ」は葉や茎や花や実に芳香を持つ植物の総称です。ガーデニングブームの頃に何気なく選んだハーブと付き合いが長くなるにつれ、だんだん好きになって種類も増やし、今や自分にとってハーブは生活に欠かせない存在になっています。

「本物ってこんなにいい香り、と感激させてくれるフレッシュミント」、「丈夫でしっかり、抜群の香りのローズマリー」、「小さな葉にかわいい花を咲かせ、すがすがしい香りのタイム」、「レモンよりレモンの香りのするレモンマートル」、「実まですばらしい山椒」が私の美味しいハーブたちです。

ハーブはもともと野生の植物ですからとても丈夫で、基本的には肥料などほとんど必要としません。適応力があるので日当たりと水だけでどんどん大きくなります。成長を促すには育ったところをためらわず、まめに切ってやること。そうするとまたそこから伸びるという具合で、ハーブの生命力の強さに驚かされます。たいして手間もかけてないのに育つ健気さに感心して、時々日光が満遍なく当たるよう向きを変えたり、虫がつかないよう雨や風に当てたりしています(過保護にしません)。

そんな緑色のハーブたちの姿、手で触ると漂う香り、飾ったり、食べたり、年中楽しんでいます。生活の中で、ゆっくりティータイムが取れるときは、このフレッシュハーブたちの出番となります。

絵本「ピーターラビット」のなかで、ピーターの具合が悪くなったときにお母さんが作ってあげたのは、かみつれの煎じ薬(カモミールティ)でした。子どもの頃はかみつれが何かも分からなくて、不思議な遠い世界のことでしたが、今ではすっかりハーブティも身近になりました。

一人で静かに頂くハーブティは心の落ち着く緩やかな時間。数人でハーブティを淹れると、いつも予想以上に喜んでもらえてハーブは頼もしい。香りが嗅覚を刺激して語らずにいられなくなるのか、香りの感想を話したり、効能を伝え合ったり、思い出話をしたり、会話も弾みます。先日は研究所の会議の際にレモンマートルのハーブティを淹れたところ、「優しい味で、香りがいい」とほっと一息、皆に楽しんでもらえました。

ハーブティの作り方は、熱いお湯を注いでいい香りが出るまで数分待つだけという手軽さです。ゆったりティータイム以外にも、気分を変えたいとき、高揚してるとき、沈んだとき、寂しいとき、頭痛や喉の痛み等のちょっとした気になる症状をなだめるとき、薬に頼る前にハーブを試してみます。「いま自分はどうなっているのかなぁ」と観察して、好みや体調に合わせてうまく使えば、心と体のケアやリラクゼーションにもなります。「香り」は人の心とも深く結びついているに違いないと感じています。

最近はスーパーでフレッシュハーブを置いてある所も増えました。花屋さんでもいろんなハーブのポットを売っています。まだハーブとお付き合いがないならば、ドライハーブとフレッシュハーブを比べたり、ハーブティを試してみてください(フレッシュハーブがお勧めです)。良さを知ってもらえれば、「ハーブはいいね~」の輪がどんどん広がるだろうなぁと今日も空想しているのでした。

レモンマートル <効能> リラックス、殺菌、消毒 
タイム <効能> 頭痛、気管支炎、去痰、殺菌、消化促進
ローズマリー <効能> 細胞活性、老化防止、精神安定、頭痛、血行促進
ミント <効能> 消化促進、疲労回復、リフレッシュ、殺菌、集中力
参考文献 : 兎兎工房編著 1999 「ハーブ・ハーブ」 永岡書店


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2015.09.15 五感
アロマの楽しみ −ディフューザー作り−

                                金山あき子

涼しい風が心地よく吹いて、めっきり秋らしくなってきました。秋は、ゆっくり読書をしたり、料理をしたり、手仕事をしたり・・・と、自分の好きなことや、内向的な仕事をして時間をすごすのにぴったりの雰囲気がありますね。皆さんが、この秋に、してみたいことは、何でしょうか。

 

私が、最近してみて面白かったことは、アロマのリードディフューザー作りです。リードディフューザーは、玄関や、居間、お手洗いなどに置くと、ほんのりといい匂いがして、リフレッシュやリラックス効果があるそう。市販でもいろいろなものがあるけれど、なかなか好みの香りに出会えなかったり、少々値が張ったり・・。じゃあ、手持ちのアロマオイルで作ってしまおう、ということで、先日おそるおそる、作ってみました。これが、案外大満足の出来。作り方もとっても簡単でした。

 

<材料> 口が小さめの瓶、竹串を数本、無水エタノール(薬局などで売っています)、水(揮発を減らすため)、好みのアロマオイル。

 

<作り方> 無水エタノール:水:アロマオイルを、8:1:1くらいの割合で、好みの瓶に入れます。そして、竹串(できたら尖った先を切っておく)か、市販のリード(串)を瓶の口にさしたら完成です。

 

出来た瓶に、リボンをかけてデコレーションをしたり、アロマの種類も、季節や、好みによって変えれるのがお楽しみです。

 

 私は、一つ目を、ラベンダーで作ってみました。ラベンダーは、昔からハーブの中でもさまざまな用途に使われ、リラックスや鎮静効果があると言われます。フランスでは、収穫したラベンダーの花をいっぱいに詰めたサシェ(袋)を枕元に置いて、睡眠の助けにしたり、箪笥の中に入れて虫除けに使われてきたとのこと。ラベンダーの香りを胸にすいこむと、紫色のラベンダー畑の中に居るような、寛いで、ほっとした、ひろびろとした気持ちになります。

 

二個目のデフューザーは、レモングラスを中心として、ペパーミント、ローズマリーなどのスッキリとした香りを中心に作ってみました。レモングラスは、タイなどアジアの料理に使わることも多く、消化を促す作用があると言われます。また、インドのアーユルヴェーダーでは、鎮静剤、蚊などの虫除けの薬にも使われるそう。これを玄関に置くと、ドアを開けるたびにレモングラス特有の爽やかな草の香りがし、とても幸せな気持ちになります。夏の終わりの蚊除け効果にも期待?!できるといいなあ。

 

アロマオイルも、いろいろな種類や効能がありますね。皆さんは、どんな香りが好みでしょうか。ぜひ、お好きな香りで、楽しんでみてください。

2011.08.10 五感
夏の香り

西順子

 夏本番。毎日暑い日が続いているが、この季節、自然に香り(よい匂い)を求める自分に気づく。心地いい香りをかぐと、すっきりした気分になって、暑さが和らぐような気がするから不思議だ。

  • 柑橘系、ペパーミントなど、すっきりした香り
  • ひのき、ティートリーなど、森林系の香り
  • パッションフルーツ、マンゴー、桃などフルーティーな甘い香り
  • ブルーベリー、ラズベリーなど甘酸っぱい香り
  • ラベンダー、ローズなど、フローラルな甘い香り
  • シナモン、カルダモンなど、スパイシーな香り
  • みょうが、大葉、生姜、にんにくなど、食欲がわく匂い
  • 梅干し、らっきょなど、酢っぱい匂い
  • いれたてのコーヒーの香り、甘いバニラの香り・・・・・などなど

 今、好きな香りは? とピックアップしてみると、「味覚」とつながっているものが結構多いと気づく。朝のパンにつけるジャムはベリー系、食事の合間にペパーミントのガム、生姜飴、シナモンティー、コーヒー、それからバニラアイスクリーム。晩御飯のおかずには、香味野菜を入れたり、食後のフルーツ・・など、日常生活のなかで、自然に好きな香りを選んでいるようだ。

 食べること以外の香りは・・というと、スキンケアと関わっている。蒸し暑く、じめじめして汗臭く、またべとべとなりやいこの時期、入浴剤、シャンプー、石鹸、クリームなど、好きな香りを鼻からスーッと吸い込むと、気分もさっぱり、すっきりしてくる。一日の終わり、寝る前に好きな香りを嗅ぐと、ほっと一息ついて、一日の疲れがとれるようだ。

 ちなみに、ネットで調べてみると、食べるものも、そうでないものも、「香り」には効能があることがわかる。香り(いい匂い)は、実際に、心と身体に良い効果があるようだ。

 ふと、「夏の香りっていうと、何だろう?」と考えてみた。まず、海のイメージが浮かんで、潮の香りを思い出した。今年は海に行く予定はないけれど、「砂浜に青い空に青い海」のイメージが浮かぶと、海を見に行きたくなったな。

 私が子どもの頃は・・?と思い浮かべると、真っ先に「蚊取り線香」を思い出した。夏の夜は、やはり蚊取り線香。今や蚊取り線香は使わないが、思い出すと、かすかにその匂いの記憶が思い出される。郷愁を誘う、懐かしい匂いだ。

 「夏の夜」から連想すると、娘たちが幼い頃、両親や妹家族、姪っ子、甥っ子らも皆一緒に、スイカ割りをした時の甘い匂い、花火の匂いを思い出した。かわいい子ども達の歓声と共に。これも懐かしいなぁ。

 この夏は、下の娘と延期になっていた卒業旅行の代わりに、夏休み旅行に行くことにした。どんな「夏の香り」の思い出ができるのか、楽しみにしていよう。

 皆さんは、夏といえばどんな香りが好きですか? 好きな香りで、心身ともにリフレッシュして、暑い夏を乗り切りたいですね。

(2011年8月)

2011.04.12 五感
ホームベーカリー

村本邦子

 しつこいぐらいにあちこちでアピールし続けているが、今、ホームベーカリーが素晴らしい。これを発明した人はなんてすごいんだろうと惚れ惚れしてしまう(炊飯器もすごいと思うけど)。私が使っているのは、パナソニックのSD-BMS102。その日の気分で粉の調合をして、タイマーをセットしておけば、翌朝には焼き立てほやほやのパンが食べられる。準備にかかる時間はたったの5分。

 朝食はずっとパン派だった。海外でいろんなパンを食べるチャンスがあるが、トーストは日本のが一番だと思っている(もちろん、ドイツやフランスのパンは大好きだが、基本的においしくないところが多い)。バターだけでも十分おいしいが、ジャムやサラダ(ポテトサラダや卵サラダなど)をのせると一層おいしい。仕事帰りに通りがかるあちこちのおいしいパン屋さんで食パンを買って帰るという生活を長年続けていたが、今年になってホームベーカリーを買ってからは、ほぼ百パーセントこれだ。

 基本は白パンかフランス食パンだが、ライ麦パンや全粒粉パンにしたり、くるみやレーズン、オレンジピールなどを焼き込んだりもする。分量を量って入れるだけなので、本当に5分で準備できてしまうのだ。もちろん、手のかけ用はいろいろある。途中でいろんなものを入れたり、混ぜたり、取りだして形を変えたりすることで、アンパンとかメロンパンとか、デニッシュやクロワッサンだって出来る。どこかの食べ放題みたいに、ほうれん草や人参、わかめやゴボウやゴマなど和風食パンだって自由自在だ。でも、今のところ、私は5分でタイマーセットできるものしかやっていない。それで十分なのだ。

 感動するのは、私たちが寝ているあいだに、この小さな調理機器が、5時間ほどもかけて、混ぜる、寝かす、練る、発酵させる、焼くという作業をやってくれるということだ。カタカタカタカタ、ペタンペタンと、時々、働く音が聞こえるのも何だか可愛い。まるでセンダックの真夜中の台所みたいではないか。パナソニックのHPにある「西洋の食卓に根付いた日本の技~ホームベーカリー5話」(http://panasonic.co.jp/ism/bakery/vol01/index.html)というのも、ほんわかしていてなかなか良い。ホームベーカリーを開発し、海外に売り出した人々の物語だ。今では、14か国で使用されているらしいが、何事にも数々の人知れぬ苦労があるものだ。

 焼き立てパンの香りで目覚め、おいしいパンとコーヒーで満たされて、1日が始まる(ついでながら、朝、世界各地のコーヒーを取り入れるのも楽しみだ。今のお気に入りは、練乳いりベトナムコーヒー)。毎日、朝食が楽しみというのは幸せなことだ。ホームベーカリーの素晴らしさを周囲に熱く説いて回る私だが、なぜか今のところ、自分も買ってホームベーカリーを始めたという声は一人も聞かない。別にパナソニックの回し者ではないが、この幸せを分かち合いたいのだけど・・・。みなさんにお勧めです!

(2011年4月)

2010.08.12 五感
古代エジプトの香油

村本邦子

 エジプトへ旅をした。ダイビングがおもな目的だったが、せっかくの機会なので、ピラミッドやスフィンクスも見ておこうと、カイロに滞在した。そこで、エジプトの香油と出会った。エジプトの香水瓶についてはガイドブックで読んでいたが、香油についてはどこにも書かれてなかった。でも、そう言えば、昔、アロマの勉強をした時、古代エジプトの香油について書かれていたっけ。

 パピルス文書(紀元前2800年頃)には、古代エジプトにおける薬草の使用方法が記録されており、神殿で乳香(フランキンセンス)や没薬(ミルラ)を焚き、神に捧げられていた。香油は非常に貴重なものであったため、ファラオたちの墓にも納められ、後の世の盗賊たちは、宝石よりも香油を盗んだそうだ。ミイラを作る時にも香料が使われ、1922年、ツタンカーメン王の墳墓が開かれたときは、3千年以上の時間を超えてなお香りが残っていたというから驚きだ。このツタンカーメンの黄金の玉座には、王妃が王に香油を塗っている場面が描かれているし、クレオパトラがバラ風呂に入り、香油を愛用していたことは有名だ。耳にローズ、手首にジャスミン、おへそにロータスと、体の部位ごとに違う香油をつけていたと聞いた。

 香油屋さんに入ると、香油の名前のリストを渡され、希望のオイルの名前を言うと、たくさんの瓶がずらりと並んだなかから、選び出して試させてくれる。シャネルを初め、有名な香水の原料はエジプトの香油なのだそうだ。エジプトの香油は、水もアルコールも使っていない純粋なエセンシャル・オイルだから、10年は持つという。アロマの勉強では、エセンシャル・オイルの使用期限は1~2年と習ったので、「ほんまかいな?」と疑わしく感じるが、ツタンカーメン王の香油は何千年も薫っていたというのだから、まんざら嘘ではないのかもしれない。あるいは、特殊な製法なのか?ざっと調べてみた限りでは、情報は得られなかった。

 ロータス、パピルス、ライラック、ひまわり、百合・・・、普段、見かけない花のオイルがたくさん並んでいる。もちろん、ローズも。ローズのエッセンシャル・オイルを日本で買えば、倒れそうに高いが(小さな小さな小瓶で万とする)、エジプトでは普通だ。「キー・オブ・ライフ」(エジプトの古書や絵に出てくる円形の取っ手のついた十字。命を表すヒエログリフで神の標識)、「クレオパトラ」「5つの秘密」「砂漠の秘密」などのブレンドも。アロマ好きの私には、どれも魅惑的で甲乙つけがたく、結局、少しずつ12種類ものオイルを買った。

 何から試そうかな?今日は、ブレンド「谷の百合」を部屋に焚いてみた。意外にもオレンジ系の明るい香りだ。そして、パピルスのコロンを自分に振ってみる。甘さが混じるがどちらかと言えばスッキリした香り。古代エジプト人が紙を作っていたあのパピルスだ。巨大なカヤツリグサをイメージするといい。葉の部分が太陽に似ており(太陽というと丸を思い浮かべるかもしれないが、光線の部分。太陽の神、アテン神の姿も、赤い丸からたくさんの腕を伸ばした形をしている)、茎を切るとピラミッドの形をしているので、とても神聖な植物とされた。

 エジプト旅行の残り香を楽しみながら、また元気に働こう。

(2010年8月)

2008.10.12 五感
おしゃれを楽しむ

村本邦子

 めったに掃除をしない私だが(嫌いとか苦手とかいう意識はないのだけど、どうしても生活の中での優先順位が低い・・・)、なぜか衣替えはこまめにやる。着る物のことを考えるのは大好きで、日本文化の趣ある季節感を重視している(桜の柄の着物は、桜が咲く前のほんの一時期だけしか着ないといった)。「○○の時は、××を着ようっと!」と思っていても、こう不規則に季節が変わると、なかなか計画通りにいかない。それでも、いよいよ秋物の出番だ。

 しかも、先週は雨の日続き。これが嬉しかった。春に、とってもおしゃれな黒いレインブーツを買ったのだけど、はく機会がなかった。月曜は毎週泊りなので、ひどい雨に長靴をはいて行って、火曜に晴れたりなんかすると、興ざめなので、晴れても堂々とはいていれるおしゃれなレインブーツを長く探し求めていた。なかなかなかったが、ついに見つけたのだ。それに、これも長年探し求め、やっと去年、出会えたお気に入りのレインコート。きれいなパープル。これらに身を包み、ルンルン気分で出勤した。お気に入りの雨の日グッズがあると、雨の日が楽しみになる。今のところ、超お気に入りの傘はまだないので、電撃的な出会いを期待しているところだ。

 面接で話を聞いていると、女性たちのなかには、「おしゃれに気を配るのは良いことだ」という価値観と、「おしゃれのことに気をとられているのは恥ずかしく良くないことだ」という価値観があることに気づく。だいたいは、小さい頃に母親や父親から刷り込まれた女性性に関わる価値観だ。私にとっては、良いも悪いもなく、自分が楽しければやったらいいし、面倒くさかったらやめたらいいというだけのこと。その昔、フェミニストの集会で、「屈辱に震えながら、毎朝、口紅を引く」という女性の発言を聞いて、驚いたことがある。私自身、若い頃は、めったにお化粧をしなかったが(第一に面倒だったし、濃い顔立ちなので、ちょっとしただけでかなりケバくなっていたため)、最近は、結構、お化粧も楽しんでいる。年を取って、顔色が悪く暗く見えるが、ちょっと色をさすと華やいだ気分になる。
 
 年齢とともに服装の好みもちょっとずつ変化してるかな。相変わらず、華やかでかわいいものが好きだけど、無地を選ぶことが増えた(昔は絶対に上下無地ということはあり得なかった)。アクセサリーをつけるようになったからだと思う。きれいな色の石物がいい(妹夫婦がジュエリーショップをやってるし)。それに、スーツを着る機会が増えたかも。それでも、相変わらず、「まったく普通」のは避けている。先日、明るいブルーのセーターを買ったが、「これだけだとちょっと地味だから華やかなスカーフでもしないとね!」と言って、お店の人に笑われた。私が地味だと感じていても、外目には派手ということがある。

 もうひとつ、今年、パープルの毛糸のマントを買った。早く寒くな~れ!もともと、ケープやポンチョ類が好きなので、集めているが、ここ数年、流行り気味なんじゃないだろうか。よく見かける気がする。そう言えば、二十数年前に愛用していた黒のマントを長く使っていない。今年は出番があるか!?ン十年前の服まで捨てずに取ってある私。掃除ができないはずだ・・・。と言っても、最近では娘が歓迎してもらってくれる。我が身だけでなく、家のおしゃれも楽しめるようになったらいいのだけど、家にいる時間が短すぎるんだよね~(老後は、着なくなったプリント柄の服の数々でパッチワークを楽しむ計画がある)。

(2008年10月)

2006.06.10 五感
五感を楽しむ

西 順子

 7-8年前になるだろうか。トラウマからの回復や癒しについて学ぶなかで、心地いい、肯定的な感覚を体験することは、不安を和らげ、自分を癒しや慰めるために、有効であると知った。トラウマの反応の1つに、「回避」「麻痺」があるが、この反応は不安や恐怖を減らす代わりに、慰めや楽しみを奪ってしまう。だからこそ、回復と癒しのために、積極的に肯定的経験を自分に与えてあげることが大事、ということだった。

 その当時はスタッフと共にアートセラピーを通して体験したが、それから私自身も生活のなかで肯定的な感覚の経験を大事にしようと思うようになった。最近は、ますます五感を味わう楽しさにはまっている。五感を感じるときは、自分がありのまま自然体であり、心と体の一体感を感じられる、心地いい幸せなひと時である。
 最近の私の五感の体験を振り返ってみよう。

 味覚・・私は食べることが大好き。好き嫌いはなく、何でも食べる。変わった食材、味も、一度は試してみたいと思うほう。一日三回の食事とおやつの時間と、毎回、食べる時間を楽しみにしていると言っても過言ではない。朝食は、コーヒーとパン、ヨーグルトが好き。ヨーグルトはアロエとマンゴーが今のお気に入り。パンには、ブルーベリー、いちご、ラ・フランス、アップルシナモン・・など、香りのいいフルーティなジャムが好き。ちょっと贅沢したい時はベーグルパン。もちもちとした食感が好き。昼食は、研究所にお弁当を持参。子どものお弁当の残りや生協のおかずに、納豆、もずく、味噌汁(orスープ)が定番。夕食は、魚、野菜、豆製品、海草類・・など、和食系が好き。でも、子ども達は肉系、夫は中華系を好むので、和洋中折衷が多い。毎回、「ああ、おいしかった~」と満足するのは、至福のひと時。外食のお気に入りは、ランチタイムのイタリアン。新鮮な魚貝系、トマトソース系パスタが好き。前菜やサラダ、デザートもついていればなお嬉しい。手ごろでおいしいイタリアンのお店を見つけると、嬉しくなる。同僚や家族と一緒に、おいしいものを一緒に食べるのも楽しいひと時だ。

 聴覚・・気分をリラックスさせたり、やる気を出させたり、気分を一新するときに、音楽は欠かせない。朝起きた時の目覚めの音楽、眠る前の音楽と、一日は音楽にはじまり、音楽に終わる。クラシック(誰もが知っているような曲しか聴かないが)、ヒーリングミュージックから、今流行のポップス系、ヒップホップ系と、その時の気分や目的にあわせて、聞きたいものをチョイス。例えば、眠る前にはリラックス系、今から掃除するぞという時にはテンションが高くなって体が動く曲を選ぶ。音楽は、友人や夫、子どもなどいろんな人の影響も受けて、聴くジャンルが拡がってきた。子どもの部屋からはアイドル系の音楽が聞こえる。たまには、アイドル系も、若い気分になっていいもんだ。ただ問題は、時々夫と、音楽vsテレビになること。それぞれ、リラックスのための感覚の使い方が違うのだろう。その時の優先順位で譲り合っているが(辛抱しあって)、どちらもほどほどになって・・ちょうどいいのかも。

 嗅覚・・もともと鼻はいいほうだと自負していた。夕食時には、近所からおいしい匂いがしてくるが、晩御飯のおかずを当てるのは得意。去年から、アロマセラピーを勉強し始めたので、今はもっぱらアロマを楽しんでいる。研究所にあるカウンセリングの部屋では、ローズウッドがお気に入り。ローズウッドは、ウッデイな香りとバラの華やかな香りと両方が楽しめていい。自宅では、眠る前のラベンダーが定番。ラベンダーの香りを1、2分でも嗅ぐと、もうコテンと寝入ってしまうほどである。嗅覚は脳に直接働きかける唯一の感覚ということで、1分間、ラベンダーの香りを嗅ぐだけで、身体に変化が起こるという(心拍数が10も減るのだとか)。すごいリラックス効果だと、自分の眠入りの早さからも実感。
 他のアロマオイルは、効能に応じて、マッサージオイル、手作りクリームを作って、お試し中だが、アロマオイルの調合具合によってこれまでの経験にない様々な香りが楽しめる。私はすっきりさわやか系が好み。アロマオイルは植物性だが、自然界にこれだけの香りがあるなんて、自然の力は凄い。夜は、香りに包まれてリラックスモード。

 体感覚・・触覚含めて体感覚について。体感覚で今一番気持ちいいのは、ストレッチ。体の筋肉を伸ばすと、うーん、気持ちいい。エアロビを続けているが(もうすぐ一年だ! 一年も続いたなんて自分でも驚き)、エアロビのなかにはストレッチ的な動きが含まれている。あちこち筋肉伸ばして、「今日も一日お疲れさん」と自分をいたわる感じ。次に好きなのは、跳躍。エアロビのなかで、飛び跳ねると体が喜ぶ感じ。子どもに戻ったような無邪気な気持ちになれる。次に、最近はセルフ・アロママッサージがお気に入り。特に足のマッサージが気持ちいい。これは触覚の気持ちよさだけでなく、香りとの相乗効果で心地よさが増す。これも、体に「お疲れさん」のいたわりの感覚。

 視覚・・これはうーむ、何かな。緑を見るのは、一番好き。都会暮らしではあるが、近くには川が流れているので、その周りの木々と共に結構自然を身近に感じている。大阪に住み始めた当初は、山に囲まれていないということで不安だったが(生まれ育った故郷は、盆地。山に囲まれていたので、都会に出てみて、山が見えないことには違和感があり、不安に感じたものだった。山に囲まれていることで、「守られている」感覚があったことがわかった)、今は平野暮らしにも慣れた。時には郊外に足を伸ばして、自然を満喫し、自然のエネルギーをたっぷり吸収したいけれど、日々の暮らしでは難しい。今は、インテリアのグリーン、公園の木々や花々、住宅周りの木々を見ることで、ちょっとした安らぎを感じている。

 私の日頃の五感の経験を振り返ってみて、「視覚」の肯定的経験が一番とぼしいかなと気づいた。他の四つは積極的に取り入れているが、視覚は意識的には取り入れていないかなと。あっ、でも「色」は好き。きれいな「色」を見るのは心地いい。緑色はもちろん、柔らかくて、あたたかい色も好き。イラストレーター伊藤尚美さんの色の感覚、雰囲気が好きで、サイトは「お気に入り」に入れて、時々チェックしている。

 皆さんは、どんな感覚が好きですか? 
肯定的な感覚を大事することは、ストレスへのケアだけでなく、体のなかから、「いきいき感」を生み出してくれる。「いきいき」としたエネルギーを蓄えて、さあ明日も一日、自分らしく、頑張ろう。

(2006年6月)

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