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FLCスタッフエッセイ

2016.12.16 こころとからだ
牧場でのひととき ーリソースを育む

                                    金山 あき子

 

先日、近くにある牧場に行ってきました。そこは、街中にある、とても小さな牧場なのですが、なぜかいつ行っても、心がほっこり、元気になるので、私の大好きな場所なのです。 

 

牧場の中は、一面、ふさふさと、やわらかいみどりや枯れ草でいっぱいです。どこからか、たき木を焼くにおいがしてきます。うきうきとした様子で、やぎや羊に草をあげている子どもたちの姿。大きな巣で、のんびりしている蜘蛛たちがいます。家で見つけると焦る蜘蛛も、ここではなんだか、仲間に思えます。じーんじーんと虫のなく声・・。

そんな景色の中で、あたたかいお茶を飲んでいると、体ぜんたいが緩んで、自然とお腹の底からゆったりと呼吸をするようになっていました。行く前には何だかもやもやしていた心も体も、帰る頃には大きな伸びをした後みたいにゆるみ、よし、また明日からがんばろう、と目の前がすっきりとしたような、うれしい気もちになって帰途につきます。

 

「リソース」という言葉を、聞いたことがありますか?リソースとは、「自分の心や体が喜ぶ、ものや、こと」のことをいいます。 あるものをリソースと感じるのは、その人それぞれの感性や個性によって違います。この牧場は、まさに私にとってのリソースの一つだなあと思いました。リソースは、人生を楽しく、豊かにしてくれます。自分にとってのリソースが、見つかってゆくほどに、過去からの、そして未来のストレスにも、より良く、安全に対処ができると思います。ではここで簡単な、リソースを育むエクササイズをご紹介します。

 

<リソースを育むエクササイズ>

⭐︎自分にとってのリソースを、一度紙に書き出してみましょう。自分がほっとする場所や自然、もの、人、支えになる関係性、動物、活動、気もち、信じるもの(スピリチュアルな領域)、芸術など・・。 もし、すぐにぱっと思いつかなくても、心配いりません。私たちの心と身体には、たくさんのリソースの種が眠っています。何に心がひかれたか、何にほっとしたのか、体と心がよろぶのか・・。毎日の生活の中で、小さなアンテナを立てながら、ちょっとずつ、自分にとってのリソースを新しく発見してゆくのも、素敵だと思います。できてきた紙に色を塗ったり、お気に入りの写真を貼ったりして、リソースのボードを作り、机に置くこともできます。小さいメモにして手帳に入れ、疲れた時にそっと見るのもいいです。

 

⭐︎近所を散歩してみて、リソースだなあ、と思うもの(景色、お花・・etc) に出会ったら、その対象を五感(色、音、香り、味、触りごごち)で感じつつ、ゆったり、ゆっくりと呼吸してみましょう。五感で感じながら、呼吸することにより、体と心のより深いところに良い感覚がとどきます。いっそう、そのリソース体験は、あなたの宝ものになってゆくと思います。

2016.04.26 子ども/子育て
子どもたちにとっての喪失体験-出会いと別れの新学期―

福田ちか子

 

 4月は、入園や入学,引っ越しや転勤,クラス替えなどいくつもの新しい出会いの時期である。そして同時にそれは、多くの別れも意味している。身近な大人と離れて過ごすことになったり、仲の良い友だちとクラスが変わったり、卒業や引っ越しで、それまで過ごした親しみのある家屋や風景とさよならする別れもあるかもしれない。そうした喪失の体験は、子どもたちにとってどのようなものか、少し考えてみたい。

 

 子どもたちにとって、喪失体験というのは、日常に遭遇する可能性のあるものであり、また心身のバランスを揺るがす波が起こる出来事でもある。波を乗り越えて前に進む力を身につけることにつながる体験でもあり、バランスを取り切れず、調子を崩したり、喪失による傷つきを深める結果につながるものでもある。

 

 精神分析においては、喪失体験を内的なものと外的なものに分けて捉えている(小此木、1979)。森(2015)は、外的な対象喪失とは、「大事な対象が目の前からほんとうにいなくなってしまう、なくなってしまうことを意味」し、内的な対象喪失とは、「その対象が目の前にあり続ける中で、その対象に対するそれまで抱いていたイメージを失ってしまうこと」としている。

 

 こどもが遭遇する内的な対象喪失とは、大切に思っていた大人や、大切に思っていた友だちか裏切られるような体験や、暴力を受けること、相手の、それまでの信頼を裏切るような行動を見聞きしたときに起きうることであり、例えば、思春期に大人への幻滅を感じることや、被害体験としていじめや、虐待に遭った場合などにも起こりうる。

 

 外的な対象喪失は、例えば、大切にしていたものを無くしたり壊れたりすること、引っ越しや進学、クラス替え等の節目に起こりやすい大切な人と別れや、大切な人との死別、ペットとの死別、両親の離婚などがあげられる。

 

 喪失に伴う感情は、怒りや悲しみなど、一般にはネガティブとされるものであるために、子どもたちは「いつまでも悲しまないで」「早く忘れなさい」「そんな風に思わなくても大丈夫だよ」などと、周囲の大人からポジティブな感情に置き換えるように促される場合や、あるいはその喪失が周囲の大人にとっても大きな体験であり、大人たちの悲しみや、日々忙しく十分に悲しむ時間が取れない大人の焦りに圧倒されて、表現する機会が失われてしまうこともある。

 

 先人の知恵や、さまざまな研究において、喪失体験は、その体験やそれに伴う感情を(言葉や絵、音楽などどのような形でも)表現すること、一緒に分かち合うことが大切とされている。それは喪失の瞬間に受け止めきれなかった悲しみなどの感情を感じなおす過程でもあると言えるだろう。また山本(2015)は、留意点として、現実に関わる営み(日常生活)を行うことの大切さにも言及し、喪失と向き合い表現し分かち合う時間と、喪失と距離を置き日常の現実に取り組む時間の両方を繰り返していくことが大切であると述べている。

 

 森(2015)は、児童文学を引いて、子どもたちの回復力について、ただ距離を取り忘れ去ることが回復なのではなく、悲しみの中に「ずーっと、ずっと、だいすきだよ」などと、対象との間で確かに体験した楽しかった思い出や、良いイメージを見出し、心の中に取り込むことで成長し、その対象との体験を今の記憶に統合しながら過去のものにしていくことができる回復の過程を示している。

 

 いくつもの出会いの裏にいくつもの別れがある新年度、大人にとっても多くの新しいことが始まる忙しい時期でもあるけれど、もしも身近な子どもに、心身のバランスが乱れるサインが見えたとしたら、別れたものを一緒に振り返る時間をもってもらうことが大切な時であるかもしれない。

 

参考・引用文献 

森 省二 2015 絵本・童話・児童文学にみる「別れ」. 児童心理.  Vol.69 金子書房.

森 さち子 2015 子どもの心を襲うさまざまな喪失体験―その体験を大人が抱えることをめぐって.  Vol.69 金子書房.

小此木啓吾 1979 対象喪失-悲しむということ. 中公新書.

山本 力 2015 子どもの離別と死別-悲しみの心理臨床学. 児童心理. Vol.69 金子書房.

2015.12.30 こころとからだ
カナシミのちから(映画インサイド・ヘッドを観て *ネタバレ注意)

福田ちか子

 ディズニーの映画『インサイド・ヘッド(Inside Out)』(今年の7月に公開され、11月には早速DVDのレンタルが開始されている)が、とても面白かった。11歳の女の子ライリーの頭の中が舞台の中心で、感情にそれぞれ、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリという名前がついたキャラクターたちが登場し、ライリーが壁にぶち当たって乗り越えるまでの心の動きが物語になっていた。そのなかで,(物語のネタバレになってしまうけれど)カナシミの感情の大切さについて描かれていたところが,とくに印象深かった。

 

 頭の中の会議では,友だちとの間で嫌なことがあったり,両親に叱られたりと,落ち込むような出来事があると,カナシミやイカリ,ムカムカ,ビビリが騒ぎ出す。すると,リーダーシップをとっているヨロコビが,楽しいことを思い出させたり,好きなことに気持ちを切り替えたりして,いつも明るく楽しいライリーでいられるようにコントロールを利かせていた。友だち,親子,得意なアイスホッケー,それぞれの楽しい思い出によって創られた基地が脳内にあって,そこから次々と楽しい気持ちの素が,生み出される仕組みになっていた。

 

 ところが,親の仕事の都合で引っ越すことになり,環境が大きく変わり,新しい環境に馴染めず,親子のすれ違いが起こり,前思春期まっただなかの多感なライリーは途方もないショックを受けて次々と気持ちが悲しみの感情に染まってしまう。ヨロコビがカナシミに大人しくするように叱り,必死に元通りにしようとするが,これまでに築かれた基地が全て崩れてしまい,これまでヨロコビがしてきたようには制御できなくなってしまう。

 

 ヨロコビは,なんとか(脳内の世界が)元通りになるように頑張ろうと躍起になるのだけれど,一人の力では上手くいかない。感情の他に、ライリーが幼いころに空想の中で作っていたビンボンという、重要なキャラクターの力も借りつつ,最後にヨロコビ自身が悲しみ,カナシミを受け入れることによって,周りの人の温かさに気づいてより一層深みのある感情を手にし,ライリーが立ち直っていく姿が描かれていた。(――重要なビンボンの活躍は,これから映画をみる人のためにここでは触れずにおきます。幼少期にファンタジーを楽しむ力が前思春期を乗り越えるために大切ということが伝わる活躍ぶりでした。)

 

 悲しみはネガティブなイメージが強く,どちらかといえば感じない方が良い感情と捉えられることが多い。身近な人が悲しみを表現しているときや,自分自身が悲しみを感じているとき,ヨロコビがそうしたように,悲しまないように,楽しいことを考えるように,カナシミを無視する対処や,ないがしろにするような対処をとっていることが多いのではないだろうか。 大人から子どもへ,「もう泣かないの」「落ち込んでてもしょうがないでしょ,頑張りなさい」「泣くなんて,~らしくないよ」,大人から大人へ,「頑張って!」「落ち込まないで元気出して!」などなど。 

 

 悲しい気持ちになる状況は少ない方が良いけれど,悲しいと感じたなら,その気持ちは自分の中で無視せず,我慢せず,存在を認めること,相手が悲しんでいるときは,励ますだけではなく悲しみを共有することも忘れてはいけない大切なことである,ということを改めて思い出させてくれる映画だった深い悲しみ,大きすぎる悲しみ,ゆとりがない中での悲しみ......悲しみを認めると,日々を過して行くことが難しいこともあることと思う。でも,少しゆとりができたとき,共有してくれる相手がいるとき,カナシミの存在に目を向ける時間も大切にしたいと感じた。

2015.08.20 こころとからだ
日々のほのぼのエピソード探し

 福田ちか子

 

ある日,電車での移動中に、心があたたかくなるような二つの場面に出会った。

 

 一つ目は、とある駅で、4歳くらいの男の子とそのお父さんが乗車してきたときのこと。お母さんが一緒じゃなくて電車に乗るのが初めてだったのか、初めてお出かけする先だったのか、男の子はとても不安そうな顔で、ドアが閉まって電車が動き始めると、「お母さぁぁぁぁん」と声を上げて泣き出した。迷惑そうなものから心配そうなものまで、乗り合わせた周囲の人々の視線は、様々だった。

 

 お父さんがかがみ込んで、「もうすぐ着くよ、大丈夫」「怖いなぁ~、よしよし」と、ゆっくり声をかけると、男の子は、お父さんにしがみついて、少しずつ泣き声を収めていった。電車が駅に停まり、開いたドアが再びしまって動き出すと、また込み上げるように「お母さぁぁぁぁん」。お父さんが「よしよし。怖いな~」。

 

 三駅目の手前で、お父さんが「よしよし。(降りるの)次やで」と声をかけると、お父さんにしがみついていた男の子が顔を上げて「とうちゃく?」と尋ねた。お父さんは頷いて「頑張ったね~」。そうしている間に電車がホームに入ると、男の子は泣き止んで、心なしか得意そうに涙の跡を残した顔で、お父さんと手をつないで降りていった。

 

 みている側には、ローカル線でたった三駅分の、あっという間の出来事だったけれど、男の子にとっては大冒険だったに違いない。「ちょっとの間我慢しいや!」などと大人の物差しで測らずに、でも抱きかかえたりして大冒険を台無しにすることもせずに接していたお父さんの姿も印象的だった。あの男の子は、頑張れる自信がついたことだろう,とほっこりした。

 

 二つ目は、車椅子にのった高齢の男性がホームで電車に乗り込むところで、その妻とおぼしき高齢の女性と、白いシャツと背広のズボン姿の男性が二人、乗り込むのを手伝っていたときのこと。二人の男性の姿から、駅員さんだとばかり思い、ホームでよくみかける光景だなぁと思っていたら、乗り込みを手伝い終えると、男性二人は老夫婦に会釈し、それぞれにカバンを抱え、慌てて別々の改札口の方へと走って行ってしまった。どうやら駅員さんではなかったらしい。仕事で急ぐ足を止めて、手を貸していたのだと思うと、ほんのりうれしい気持ちになった。

 

 思いがけずあたたかい場面に居あわせて,ほんのりと心が動かされる心地良い感覚を味わうことができた。

 

 たくさんの情報が、いろいろなメディアから流れている今日この頃。より多くの人の注目を得ようと競う結果か、ワイドショー的な要素が強いもの程,どれだけ異常かということが強調されている風潮が目立つ。一つ一つを真剣に受け止めると、気分が落ち込むなどの影響がでそうなぐらい、刺激の強いものも多い。

 

 深く考えないようにしてそれらをやり過ごすことや、見ないように好きな物事に没頭する、ということが無意識のうちに習慣になっていて,心が動かされる感じを忘れがちになっていることがあるのではないだろうか。

 

 そんな時,ほのぼのするエピソード探しをしてみると,心地よく心が動かされる感覚を思い出すことができるかもしれない。

2015.05.14 こころとからだ
からだの声に耳をすます

                                         金山 あき子

 

産まれてからずっと、「わたし」と共にある「からだ」というもの。あまりに在るのが当たり前なので、現代社会では、意外と「からだ」で生きているということを忘れがちなのかもしれません。 学校でも、小さい頃から「頭」を使うことが大事とされるので、からだ全身を使って感じたり、遊んだりという機会も減ってゆき、そうすると「からだ」はどこか遠いところへ押しやられてしまいます。私たちのからだは、自分が一生つきあうことになる、大切な場所。この場所を自分の家のように考えて、より気持ちよく過ごせるように、からだの声を聞きながら、整えてゆくことは、とても大切なことと思われます。

 ◇からだと心はつながっている

東洋では、昔から「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方があります。それは、「心」と「からだ」はひとつであり、分けて考えられないものであるという意味です。たとえば、私たちは怒った時の感情を「頭にくる」、「腹が立った」など、からだの部分を使った表現を自然に使いますが、これも心で起こっていることと、からだで起こっていることが密接に繋がっていることを示しています。

私たちのからだは、常に声を発しています。例えば、何か楽しいことがあった時や、大好きな音楽を聴いている時など、からだにはワクワクして、大きく広がってゆくような、心地よい感覚が走るでしょう。また何か悲しいこと、つらいことがあった時には、からだにはどこか固く、縮こまったような感じがあることでしょう 。ふと目を向けてみると、からだは、頭で考えるよりも先に、色々な情報をキャッチし、また外に向けて発しています。からだには独自の知恵があり、時には「わたし」よりも深く、「わたし」のことを知っているのかもしれません。

 ◇日常の中で気づいてみよう。

日々の生活の中で、少しからだの声を聞くことを意識してみましょう。例えば、「なんだか今日はやけに肩が凝るなあ」という日は、少し肩に意識を向けてみましょう。その肩の緊張は、どんなことをあなたに話しているでしょうか。一見不快な感覚も、何かメッセージを運んでいるかもしれません。いま、この身体で、何が起こっているのかに気持ちを向けてみましょう。そうすると、その緊張は、目を向けてもらったことで少しゆるむかもしれません。または、「ああ、私はこんなことで少し無理をしていたんだなあ・・」、「こんなことが苦手だったんだ」など、今まで気づかなかった洞察を得ることもあるでしょう。

また、自分が何に心地よい感覚を感じるのかに目を向けてみましょう。新緑が芽吹く山を見て、胸が広がってゆくような感覚がする。外の鳥のさえずる声を聞いて、からだ全体が澄み渡るような感じがする。または、バラの花のうっとりするような香りに触れ、深いところが解放されるような感覚・・・などなど、何でも自分にとっての「快」の感覚をからだで感じてみます。心地よいと感じる感覚により多く気づくことで、自分がリラックスし、安心できるスペースを作ることができます。その感覚を生かして、よりストレスにも対処できるようになるでしょう。

 ◇からだという自然

私たちのからだには、様々なリズムがあります。普段は中々意識しない、心臓の鼓動や、呼吸のリズム。そして女性には特に、月経、妊娠・出産、更年期など、人生を通じて身体に直接関わる周期やリズムが、節目ごとに存在しています。からだの声に耳をかたむけることは、自らの内に、自然のリズム、自然とのつながりを取り戻す事でもあります。世界のあり方がより複雑になり、ますます自然とのつながりが薄れていく今日、まずは自分のからだに向き合ってみるということの意味は大きいと思われます。日常の何気ないことから、身体の感覚に気づくことをはじめてみませんか。たとえばそれは、レストランで食べる時、「頭」で考えるのでなく、本当に食べたいものを一度「お腹」に聞いてみることかもしれません。または、からだの動きたいようにダンスすること、散歩や、ヨガなどの運動をしてみることかもしれません。からだの声に耳をかたむけ、小さいことからはじめてみると、案外、新しい発見や気づきがあるかもしれません。

2014.10.06 カウンセリング
女性のストレスとストレスマネジメント

西 順子

 ストレスは、私たちが生きていくうえで避けることができないものです。何か生活に新しいことや変化があり、そのことに適応していかなければならない時、人はストレスを経験します。人は新しい課題に挑戦し、ストレスを乗り越えようとして成長していくものです。しかし、人生にはうまくいくときもあれば、なかなかうまくいかないときもあり、うまく乗り越えられないときには危機的状況となります。ときには予期せずトラウマとなるようなストレスを経験することもあるでしょう。

 女性のストレスには、対人関係、家族やパートナーとの関係からくるストレス、流産、不妊、妊娠・出産にまつわるストレス、育児ストレス、介護ストレス、職場ストレス、大切な人との別れ・・など、人生のライフサイクル上で起こる様々な出来事や状況があります。

 ストレスやトラウマを乗り越えていくには、たくさんの助けやケアが必要です。ここでは、ストレスを乗り越えていけるよう、ストレスと上手につき合う(=ストレスマネジメント)ためのヒントを提供できればと思います。

ストレスとは
 ストレスとは何でしょうか。ストレスという用語は、もともとは物理学の分野で使われていたもので、物体の外側からかけられた圧力によって「ひずみ」が生じた状態を言います。ストレスをゴムボールに例えると、ゴムボールを指で押さえる力を「ストレッサー」と言い、ストレッサーによってゴムボールが歪んだ状態を「ストレス反応」と言います。それをハンス・セリエ博士が生理学の領域で適用したのが始まりです。

 ストレッサ-には、物理的ストレッサー(暑さや寒さ、騒音や混雑など)、化学的ストレッサー(公害物質、薬物、酸素欠乏など)、心理・社会的ストレッサー(人間関係や仕事上の問題、家族の問題など)があります。私たちがストレスと呼んでいるものの多くは、心理・社会的ストレッサーを指しています。
 また、ストレッサーには、日常的に起こる厄介な出来事(デイリーハッスル)やライフイベント(人生のなかでの大きな変化。死別や失業、結婚や就職など良いことも悪いことも含まれます)、トラウマとなりうる出来事(自然災害、人的災害、交通事故、暴力被害など)もあります。

 セリエは「ストレスは人生のスパイス」と言いました。ストレスが適量なスパイスとなれば、人生を豊かに味わい深いものにしてくれます。しかし、ストレスが過剰であったり、ストレスとのつき合い方がうまくいかないと、害が生じてしまいます。心身の健康に影響を与えます。

●ストレス反応
 ストレッサー(ストレス状況)によって引き起こされるストレス反応は、身体面、心理面、行動面に現れます。

身体面:不眠、睡眠過多、食欲不振、食べ過ぎ/飲み過ぎ、下痢/便秘、胃痛、頭痛、
     身体のふしぶしの痛み、肩こり/腰痛、動悸・息切れ、過呼吸・・

心理面:イライラ/怒りっぽい、抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)、不安感/緊張感、     無気力、集中できない、自分を責める、悲観的思考/否定的思考・・

行動面:引きこもり、攻撃的行動(人や物にあたる)、アルコール量やタバコ量の増加、ミスの増      加、能率が悪くなる、遅刻・早退・欠勤の増加、金銭の浪費・・

 ストレスを感じたとき、心や身体が変化するのは自然なことです。ストレス反応はストレスのサインです。何より「気づき」が大切です。ストレス反応は人それぞれ違いますので、自分にはどのようなストレス反応が生じやすいのか、自分の特徴を知っておくとよいでしょう。
 ストレスのサインに気づいたら、ストレス反応が軽減するよう、ストレスと上手くつきあっていくための対処(=コーピング)を工夫してみましょう。

●コーピング
 ストレスに対する対処行動をコーピングと言います。コーピングには主に、問題焦点型コーピング、情動焦点型コーピング、認知に対するコーピング、ソーシャルサポートがあります。

・問題焦点型コーピング:情報を収集して問題の所在を明らかにし、問題そのものを解決しようとする方法です。問題解決のために積極的な行動にでる、話し合う、状況を変化させる・・などがあります。

・情動焦点型コーピング:直面している問題にとらわれないように気晴らしをしたりして、ネガティブな情動的なストレス反応そのものを軽減させる方法です。散歩する、漫画を読む、カラオケ、映画をみる、音楽を聴くなどの気分転換、瞑想や自立訓練法、アロマテラピーなどリラクセーションの方法もあります。睡眠を十分にとること、栄養のある食事、休養や適度な運動なども大切です。

・認知的コーピング:認知とは、ものの考え方や見方のことで、それ感情や気分に影響することがわかっています。私たち誰にでも「認知の癖」がありますが、「バランス良く柔軟な考え方をすること」が大切です。例えば、「失敗してしまった」というとき、「もうダメだ。どうせ私は何をやってもうまくいかない」と考えるとドンドン落ち込みます。でも、「失敗は成功の元。何がよくなかったか原因を考えて、次また活かしていけばいいんだ」と思うと、落ち込みも緩和されるでしょう。

・ソーシャルサポート:友達、家族、職場の同僚や上司など人に相談したり、話を聞いてもらうことです。人は、批判したり否定されたりせずに、「そう思うのね」と肯定して話を聴いてもらえると、それだけでも随分とほっとするものです。あなたが信頼できる人に話を聴いてもらいましょう。助けを借りて、自分を労わりケアしましょう。

 みなさんは日頃、どのようなコーピングを使っていますか?人によって有効な方法は違うので、自分のやりやすい方法を見つけておくことが大切です。ストレスの種類や程度によっても有効なコーピングの方法も違うので、いろいろなコーピングの方法を身につけておくとよいでしょう。

 しかし、対処できないほどのストレッサーを経験したり、ストレッサーが長期間続いたりするとストレス反応も慢性化してしまいます。さまざまなコーピングを使っても症状が長引く場合は、早めに専門家に相談しましょう。

●リラクセーション法
 情動焦点型コーピングの一つ、リラクセーション法を紹介しましょう。リラクセーション法は、ストレス反応を低減させ、リラックス反応を誘導し、心身の回復機能を向上させる方法です。リラックス反応は、環境や刺激が、安全・安心で、脅威でないと判断したときに起きる反応で、副交感神経系の活動が優位な状態にあります。多くの文化圏で古来より様々なリラクセーション法が実施されてきましたが、近年、医学的にもその有効性が確認されています。

 リラクセーション法には、漸進性筋弛緩法(筋肉の緊張と弛緩を繰り返し行うことにより身体のリラックスを導く方法)、呼吸法、アファメーション(自分を励ます言葉を声に出す)、瞑想法、自律訓練法、芳香療法(アロマセラピー)、ヨガなどがあります。ここでは、セルフケアとして簡便にできる呼吸法を紹介しましょう。

腹式呼吸法は、下腹部が膨らんだり、へこんだりするように呼吸する方法です。(臍の上に手をあて)体の力を抜いたまま、口からゆっくりと息を長く吐いていきます。このとき下腹部をへこます感じで息を吐いていき、苦しくならないところで、下腹部を膨らませる気持ちで、鼻から息を自然に吸っていく。これを繰り返していくのが腹式呼吸です。
 吐く息に気持ちを落ち着ける効果があるので、吐く息に注意を向けて、ゆっくりと息を吐いていきます。この時に、「リラ~ックス」「落ち着いて~」と体の緊張も息とともに吐き出すようにイメージしながら脱力すると、リラックス効果が高まります。一回5~10分程度行いましょう。

 ストレスに気づいたら、早目の対処が必要です。女性ライフサイクル研究所では、女性が人生で出会うストレスについて、カウンセリングでのご相談を受けています。心身の健康を回復し、ストレス状況を乗り越えていけるよう、ストレス対処からストレス・ケアまで、共に考えていければと思っています。

参考文献:
『女性ライフサイクル研究13号:特集ライフサイクルにおけるストレス・危機とケア』
『女性ライフサイクル研究19号:からだの声を聴く』
『ストレス・マネジメント入門』中野敬子著、金剛出版。・・など。

2014.06.23 トラウマ
女性のトラウマとセルフケア

西 順子


 女性ライフサイクル研究所では、設立以来、「女性のトラウマと回復」を一つのテーマとして、トラウマ予防、介入、回復支援に取り組んできました。今回ここでは、トラウマからの回復のために必要な情報として、セルフケアの一部を紹介したいと思います。

■トラウマとその影響
 トラウマとは、個人では対処することができないほど衝撃を受けたときにできる〈心の傷〉のことを言います。トラウマとなるような体験は、人から力やコントロールの感覚を奪います。人を無力にし、人とのつながりを断ち切ります。そのため、トラウマに晒されると、自分、他者、世界への安全感、信頼感を失ってしまいます。人々がトラウマ体験の後によく経験する反応には、次のようなものがあります。

 ・恐怖と不安
 ・トラウマを再び体験すること
 ・覚醒が高まること
 ・回避
 ・孤立無援感
 ・怒りと苛立ち
 ・自分を責める、恥ずかしいと思う
 ・悲しむことと落ち込むこと
 ・自己イメージや周りの世界に対する見方の変化
 ・性的関係
 ・アルコールと薬物

PTSD(外傷後ストレス障害)、うつ、不安、身体化など、トラウマ症状となって現れることもあります。いずれも、トラウマに晒された時に後になって生じる「自然な反応」「正常な反応」です。

■セルフケアの必要性
 では、どのようにしてトラウマの影響を軽減し、回復していけるでしょうか。
 トラウマの回復には時間がかかりますが、「安全の確立」「記憶の統合」「再結合」と各段階を追って螺旋階段をあがるように、回復と癒しのプロセスを進みます。
 第一段階の「安全の確立」では、症状を受け入れて、自分自身に共感をもってつながる健康的な方法を身につける必要があります。自分の身体的、精神的、認知的、行動上の必要性に注意を払う事で、自分の人生にもっとコントロールを感じ、トラウマの影響を減らすことができます。「安全の確立」の段階では、自分の心身のニーズを満たし、自分自身を大切に扱うためのセルフケアが必要です。

■セルフケアのヒント
 トラウマによる不安と苦悩をコントロールするために、身体へのセルフケアは欠かせません。下記のなかでどの方法が役立ちそうですか? どれができそうでしょうか? 心理的な問題を扱うためには、まず身体のニーズを満たすことは大切です。一度にすべて行おうとするのではなく、一つか二つ選んで始めてみましょう。

●健康的な食生活を心がけましょう。不健康な食事はストレスレベルを高めます。
●運動はストレスをコントロールするのに大変有効です。運動をすることでよりリラックスした状態    をつくることができます。
●十分な睡眠をとりましょう。そのためには、規則的な日常生活を身につけましょう。決めた時間 に起き、就寝しましょう。寝る前にリラックスできる何かをする習慣を身につけましょう(音楽を聴 く、あたたかいお風呂に入るなど)。
●十分な休養を取りましょう。たとえ眠れないときでも、休養することで力とエネルギーが蓄えられます。
●五感を緩和させましょう。視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚と五感を緩和することで、自分を落ち着かせることができます。例えば、身の回りの自然を見渡す、星をながめる、綺麗な花を一輪買う、音楽を聴く、アロマキャンドルを灯す、食べ物の味をよく味わう、ハーブティを飲む、心地よい椅子にゆったりと座る、犬や猫とじゃれる、マッサージを受ける・・など、心地いい感覚に注意を向けてみましょう。

 身体的なケアのほか、誰か安心できる人に話を聞いてもらう、家事をサポートしてもらう等、ソーシャルサポートを得ることも大切なケアです。自分のニーズに気づき、必要なサポートを求めましょう。
 またセルフケアは、トラウマに晒された本人はもちろんのこと、トラウマに晒された人を支える家族や友人、支援する人にとっても大切です。支援する人自身も「食べること、寝ること、休養すること」など自分のニーズに目を向けましょう。生活のなかに意識的にセルフケアを取れいれることで、不安やストレスの軽減をはかりましょう。

 しかし、フラッシュバックや回避・麻痺、過覚醒、解離など症状が長引くとき、一人ではうまく対処できないときには早めに専門機関に相談しましょう。
 当研究所では、カウンセリングのほか、グループセラピーとしてセルフケアを学んでいただける場を提供しています。セルフケアの方法がわからない、セルフケアに関心がある・・といった方は、「カウンセリングについて」「グループセラピーのご案内」もご覧ください。少しでも皆さまのお役にたてればと願っています。

参考図書『心的外傷と回復』みすず書房、『不安障害の認知行動療法(3)強迫性障害とPTSD』星和書店、他
※おすすめ図書『女性ライフサイクル研究第9号 特集:女性のトラウマと回復』             

          

 

2013.02.10 こころとからだ
ヨガ入門Ⅱ

西 順子

 昨年9月からヨガ療法の講座に月一回通っている。もともと参加しようと思ったのは、心身の調子を整えるために身体に働きかけるグループもFLCでできればいいなぁ・・という思いから。あっという間に半年がたったが、結構おもしろく自分のために役立っている。

 どんなところが役立っているか・・と振り返ってみると、まず非日常の空間に身を置くことでのリフレッシュ。その場の空気、建物、受講している方々・・と、違う世界に身を置くとさまざまな新しい発見がある。例えば、参加している方々は皆さんヨガに関心があるのは共通点だが、背景は皆さまざま。ヨガや体操を教えているインストラクターさん、助産師さん、子育てまっただ中のお母さん、OLさん・・等(お若い方々が多いが)。参加者の方々と、体験・気づきをシェアしあう時間も新鮮。

 それから、一番好きな時間は、やはりヨガの実技の時間。ヨガ療法は全くむずかしくなく、簡単にできるのでなじみやすい。しかも効果も感じられる。実技のあとは心身が統一する感じですっきり。「いま、ここ」に集中する時間も心地よい。マインドフルネスってこういう感じかな。最近は堂々巡りに思考することから離れやすくなった気がする。

 また実技は理論的(生理学的)にも納得できて、心と身体についての勉強になる。

 月一回、ヨガを体験する非日常空間は、自分自身を振り返り、向き合う時間。日常を「動」とすると、「静」の時間。心静かな時間。「動」と「静」のメリハリをつけながら、心と身体の健やかさを保っていければいいな・・と思う。

(2013年2月)

2012.01.10 トラウマ
トラウマと身体~ソマテイック・エクスペリエンス(SE)と出会って

西 順子

 2012年1月、ソマティック・エクスペリエンス(SE)認定プラクティショナーとしての認定をいただいた。新年早々、認定の連絡がメールで届き、心から「やった~!」と嬉しく、喜びに満たされた。 

 ソマティック・エクスペリエンス(SE)に出会ったのが、2008年。『心と身体をつなぐトラウマ・セラピー』(P・リヴァイン著、雲母書房)の本を、そうそう・・、なるほど・・と興奮する気持ちで読んだことを今でも覚えている。子ども時代の虐待や性暴力被害など、トラウマ臨床に携わるなかで感じてきた<もっとどうすれば回復できるのか>、つまりトラウマの再現によって生じる恐怖、不安を、圧倒されずにどう緩和できるのか、という問いに答えてくれるように感じた。トラウマを「身体」の側面から理解すること、それがトラウマからの回復と癒しの鍵になるということに納得した。ぜひ、このSEを学び臨床に役立てたい・・と志して早3年半。今振り返れば、幸運な出会いに恵まれて、今ここに、辿りつけることができた。無事にここまで来れたことに、感謝の気持ちである。

 3年間のトレーニングで感じたことは、折にふれてエッセイや日記などでも書いてきた。2009年には年報19号『身体の声を聴く-肥大化した心の時代に』のなかで論文としてまとめたが、SEを学ぶなかで、私自身も変化を体験してきた。何より、以前と比べて、自然体で落ち着いていられるようになったことが有り難い。

 SEでいうところの「落ち着く」とは、自律神経系が落ち着いてバランスがとれていること、つまり、交感神経系の「楽な活性化」と、副交感神経系の「楽な解放」との継続したサイクルがあることである。それは、呼吸のリズムや深さ、心拍数、筋肉の緊張と弛緩、五感など身体感覚によって感じることができる。私自身まだまだ、活性化しすぎて過度に緊張したり、イライラしたり、動揺したり・・することも多々あるが、そのことに気づくだけでも違うように感じている。神経系が落ち着いているときは、くつろいでリラックスしつつも機敏で、他者ともつながることができ、情緒的に安定していて、さまざまな状況下で適切に対応できる・・と言うから、そんな状態に少しでも長く留まっていたいものだと思う。

 「心と身体がつながっているって、こういうことなんだ」と、自分の身体で実感することで、生きているってすごいことなんだと、生きていることそのものに、有り難く感謝するようにもなった。そして、人間の存在全体に対しても、畏敬の念をもつようになった。身体とつながることで、個の意識を超えて、スピリチュアルなものとつながれるように感じている。本能的な生命の営みによって生かされていること、生かされた命を大切にすることが、私自身にまずできることであると、地に足を着けて、自分の中心にいられるよう意識するようになった。

 身体はトラウマを覚えてはいるが、身体感覚に耳を傾けて、身体に備わる自然治癒力や回復力へとつながることで、解離したままのトラウマ記憶を消化、解放していける可能性が生まれる。それはまた、「人とのつながり」のなかで、安全に感じられてこそ可能となる。 生まれたときから、目と目を合わせるアイコンタクトが、安心してこの世界につながる始まりであるように。

 ハーマンさんの『心的外傷と回復』のなかで、私が一番好きなのは、最後のページ。最後の言葉、「他の人々と共世界をつくりえた生存者は生みの苦しみを終えて憩うことができる。ここにその人の回復は完成し、その人の前に横たわるものはすべて、ただその人の生活のみとなる」は、しみじみと心に響く。誰もが、人々とのつながりのなかで、安全で平和に、日常生活を暮らせるようにと願い、祈りながら、SEで学んだことを、トラウマ臨床に役立てていきたい。

(2012年1月)

2011.05.12 カウンセリング
セルフケアのヒント~肯定的な感覚(リソース)を強める

西 順子

 新緑が美しい季節となりました。植物の生命力から、活き活きとした自然のエネルギーを感じます。一方で、連休明けのこの時期はわけもなく憂鬱になったり、焦ったり、疲れが出やすい時期でもあります。新しい環境や生活の変化に適応しようとして、一時的に強いストレス状態に陥っていると言えるでしょう。眠れない、食欲がない、頭痛や腹痛など、ストレス反応が身体に出る方もあるでしょう。強いストレスがかかると、ストレス反応が生じるのは「自然なこと」です。ストレスを何とか乗り越えようとして、心と身体が闘っているのです。ここでは、ストレス反応を和らげるためのセルフケアの一つとして、肯定的な感覚(リソース)を強める方法を紹介しましょう。

 肯定的な感覚にはどんなものがあるでしょうか。例えば、ハーブや花の匂いをかぐ、和ませる音楽や元気の出るエキサイティングな音楽を聴く、公園を散歩する、ペットと遊ぶ、熟した桃やオレンジの味を楽しむ、マッサージを受ける、美しい絵を観に美術館に行く・・等は、直接に感覚とつながり、自分を慰める行動です。

 皆さんは、どんな感覚の経験が好きですか? 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚など、五感の感覚ごとに、心地よい経験を思い出し、それを行動に移してみましょう。心地いい感覚に意識を向けて、その感覚に留まってみましょう。その感覚を呼吸と一緒に吸いこむようにして感じてみるのも効果的です。実際に行動できないときは、想像力を使うこともできます。心地いい感覚の経験をイメージし、イメージの世界のなかで感じてみましょう。

 ストレスを感じ、心身にさまざまなストレス反応が出ているとき、肯定的な感覚の経験を意識的に取り入れることで、ストレス反応を緩和し、心身の状態を落ち着かせることができます。カウンセリングでは、自分自身のストレス反応について理解し、ストレス反応を緩和させるために身体感覚を用いた方法を使っています。関心のある方はカウンセラーにお尋ねください。
                             
                            (2011年5月発行:ニュースレター特集より)

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