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FLCスタッフエッセイ

2014.08.24 本/映画
思い出のマーニー~思春期のこころ~

                                                                                                                           

                                                                                                                          仲野 沙也加

  先日、今話題のジブリの映画、「思い出のマーニー」を鑑賞した。

 物語は12歳の主人公 アンナと不思議な女の子マーニーの話。不思議で、優しくて、せつない中に温かさを感じる物語。原作はジョーン・G・ロビンソンで長年親しまれている児童文学の一つである。この物語は、アンナとマーニーの友情を描く前半と、不思議なつながりの秘密に近づいていく後半で構成されている。舞台は北海道で、豊かな自然に囲まれ、日常の中にある非日常な空間が綺麗に描かれている。

 「思い出のマーニー」には思春期のテーマや、愛着対象の不在のテーマが背景に存在している。自分のことが嫌いで人の輪の外にいると感じる主人公アンナ。多くも少なくも自分と周りとのズレを感じる思春期。アンナには思春期特有のアンバランスさがあり、物語の感情ラインにも独特の緊張感を与える。信じるものを探して大人になっていく。異性では描けない同性同士のつながりや問題をジブリらしい流れの中で魅せられていく。心の支えとなる同性同士の絆や愛情、心のつながりの大切さを通して成長していく少女の過程が描かれている。

 この作品のキャッチコピー、「あなたのことが大好き」という言葉。監督である米林宏昌氏は、「きっとあなたのことを愛してくれる人がいる、誰かに愛されている、あなたも誰かを愛することができると感じてもらえたらいいなと思いながらこの作品を作りました」とコメントしている。

 さてこの映画は不思議なマーニーの謎を考えながら観るとさらに楽しむことができる。

・マーニーは誰なのかとはどういう意味?

・マーニーを誰かが演じている?

・マーニーという存在は実在しない?

 答えは映画の最後まで観ないと分かりません。映画のところどころにヒントが隠されている。映画は苦手という方は原作もとても素晴らしく、読むたびにいろんな発見ができる読み物であり、おススメしたい作品である。

 

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