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所長のブログ~ただ今修行中

2016.05.08 日々のこと
アタッチメント、つながることの大切さを思う

連休もあっという間に明けましたが、金曜日からぼつぼつと仕事に戻っています。
金曜日は、スタッフと一緒にFLCの片付け&掃除。事務スペースや廊下がスッキリして気持ちよくなりました!土曜日は、午前面接と夜間面接の合間に京都に出向き、アタッチメントセミナーに参加。本日、日曜日の午後は、女性心理学フリートーク『心的外傷と回復』の読書会でした。

今年度からスタートするというアタッチメントセミナーでは、アタッチメント理論の研究と実践について、現場に即した内容を第一人者の先生方が系統的に提供くださるとのことで、今回はその第一日目。親子の支援のヒントになれば・・と参加させて頂きました。

アタッチメントとは、「くっつく」こと。ボールビーによれば、人間には「くっつきたい」という欲求がそもそも備わっていて、怖くて不安なときには特定の人のところに逃げ込んで、気持ちを立て直そうとします。いつも守ってくれる人がいることで「何かあればあそこにいけばいい」と、見通しがもてるようになり、それが情緒的な絆になっていくとのことでした。見通しが持てれば一人でできるようになり、どんどんチャレンジしていけるとのこと。とてもわかりやすく、アタッチメントの原理原則を学べてよかったです。

『心的外傷と回復』の読書会では、第一章「歴史は心的外傷を繰り返し忘れてきた」を読みあいました。19世紀以降の心的外傷についての3つの研究、19世紀後期のヒステリー研究、第一次大戦後からベトナム戦争後に頂点を極めた20世紀初期の戦闘神経症、20世紀後期の性的暴力とDVについて、研究が押し進められた社会的・政治的背景と共に再確認しました。

PTSD(外傷後ストレス障害)概念が公認されてから、レイプ・DV・性的虐待後の心理学的症候群も戦闘神経症と本質的に同一であることが明らかとなったいう発見はすごいことと感嘆します。

また、今回印象に残った箇所は、ベトナム帰還兵らが組織した「おしゃべりグループ」と、女性らが真実を語り合った「コンシャスネスレイジング(意識向上)」運動です。親密な関係で仲間同士の「感情的アタッチメントの力」が、真実と向き合うことを可能にし、社会を動かす力となったということに、人とつながることの力強さを感じました。

子どもだけでなく、「安心できる人」の存在は大人にとっても大切です。心が傷つき弱っている時はなおさらです。安全に、安心して「人とつながる」こと、それが自己信頼であり他者を信頼することであると思います。子どもと大人、女性と男性を越えて、つながりを育んでいくお手伝いができれば・・と思います。

ところで、ブログを書いた後、こんなニュースを見ました。熊本地震の後、家に帰るのが怖くなって帰れない子どもたちのために、熊本市こども発達支援センターの職員さんたちが絵本を作ったとのこと。「やっぱりおうちがいいな」。この絵本はホームページからダウンロードできるとのことです。少しでも安心できる状況が戻りますことを心よりお祈りいたします。


                サーモンピンクのベゴニアに魅かれて
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